2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the escape mutant of the hepatitis B virus as a minor strain in mother-to-child transmission
Project/Area Number |
15K09701
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小松 陽樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (80424711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘野 昭彦 東邦大学, 医学部, 教授 (10138993)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 母子感染 / 予防不成功 / ワクチン / HBIG / 遺伝子変異 / 変異株 / minor clone |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎母子感染予防不成功例において多数派株(major clone)ではなく少数株(minor clone)として存在するS抗原変異株を、サンガーシークエンス、real-time PCR、次世代シークエンサーによるdeep sequencingにて検討した。H29年度は変異株 G145Rを検出するreal-time PCRが陰性だった母子感染予防不成功2例を対象に、B型肝炎ウイルス(HBV)S抗原の共通抗原決定領域を中心にサンガーシークエンスとdeep sequencingにて遺伝子変異を検討した。2例とも児の血清にmajor cloneの変異株は存在せず、1例ではT126AとT143Sがminor cloneとして児に存在し、もう1例ではG145Aがminor cloneとして児に存在していた。T143S変異株とG145A変異株は母親の血清にもminor cloneとして存在していた。児の母親は共にHB抗原陽性であり、血中HBV DNA量は高値であった。これらの結果から、G145R変異株以外にも多数のS抗原変異株がminor cloneとしてHBVキャリアに存在し、母子感染予防不成功の原因となる可能性が示唆された。前年度までの研究にて、G145R変異株が存在する妊婦の危険因子としてHBe抗原陽性や高ウイルス量が判明しており、今回検討した2例においても、母親はこれらの因子を有していた。従って、HBe抗原陽性及び高ウイルス量のHBVキャリア妊婦はS抗原変異株を有する可能性が高く、抗HBsヒト免疫グロブリンとHBワクチンの組み合わせによる母子感染予防以外の感染予防手段が必要になると考えられた。
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Research Products
(2 results)