2017 Fiscal Year Annual Research Report
Oxysterols in children: potential biomarker for pediatric liver disease
Project/Area Number |
15K09704
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
水落 建輝 久留米大学, 医学部, 講師 (20368921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オキシステロール / 小児 / 肝臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27~28年度に続き、健常小児、肝疾患小児から血清と尿検体を書面による同意を取得し回収した。本年度は髄液検査を行った神経疾患小児から血清、尿、髄液も加えて回収した。 得られた検体を液体クロマトグラフィー質量分析法で分析した。最終的に安定して分析可能だったオキシステロールは、4β-OH-cholesterol、20α-OH-cholesterol、22(R)-OH-cholesterol、22(S)-OH-cholesterol、24(S)-OH-cholesterol、25-OH-cholesterol、27-OH-cholesterol、以上7種であった。 以上7種のオキシステロール値と、合算した総オキシステロール値を、年齢別に新生児(1か月未満)、乳児(1~11か月)、幼児(1~6歳)、学童(7~15歳)、以上の4群に分け比較検討した。血清と尿において、いくつかのオキシステロール値で年齢別に有意差を認め、健常小児におけるオキシステロールの発達的推移を世界で初めて明らかにした。 次に、年齢をマッチさせた健常小児群と肝疾患小児群の血清と尿を比較検討した所、いくつかのオキシステロール値で、肝疾患小児群は有意差を持って上昇していた。これはオキシステロールが小児肝疾患のバイオマーカーとなりうる可能性を示唆した。 次に、肝疾患小児の中でも肝性昏睡型急性肝不全に着目し、年齢をマッチさせた肝性昏睡型急性肝不全群、その他肝疾患群、健常群、以上3群に分け比較検討した。いくつかのオキシステロール値で、肝性昏睡型急性肝不全群は健常群だけでなくその他肝疾患群と比較しても有意差を持って上昇している項目を認めた。これらのオキシステロールは、小児急性肝不全の重症度や予後を予測するバイオマーカーとなりうる可能性を示唆した。 以上の結果をまとめて、小児肝臓病関連の国内国際学術集会への発表準備、医学英文学術誌へ論文投稿準備を進めた。
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