2015 Fiscal Year Research-status Report
子宮内感染による臍帯由来間葉系幹細胞プロファイル変化と脳白質損傷治療効果への影響
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15K09708
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
滝 敦子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20614481)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / 臍帯由来間葉系幹細胞 / 子宮内感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のための検体(臍帯)採取とプロファイル解析を有効にすすめるため、他施設との研究協力の準備を行った。 本研究では、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のために、合併症妊娠の分娩時に臍帯を採取し、凍結保存を行い、これから臍帯由来間葉系幹細胞を培養することを計画している。対象とする脳室周囲白質軟化症は、在胎週数27-32週の早産児に好発するものであるが、発症率はその約 2~8%と発症頻度は多くない。また、妊娠中もしくは出生後すぐに診断がつくことは極めて稀であり、通常は生後2週間程度経過してから診断がつく。したがって、ヒト脳室周囲白質軟化症患者から採取した臍帯から臍帯由来間葉系幹細胞を初代培養するためには、相当数の早産児の臍帯を採取する必要がある。当院では当該在胎週数の分娩数は平成27年度16例であったが、脳室周囲白質軟化症を発症した症例はいなかった。このような状況から、本研究をすすめるためには、他施設との共同研究をすすめる必要があるため、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「平成28年度 成育疾患克服等総合研究事業」の「脳性麻痺に対する臍帯由来間葉系細胞治療に関する研究」(研究代表者 大阪市立大学 新宅治夫教授)に研究分担者として参加することを決定し、「脳性麻痺に対する臍帯由来間葉系細胞治療に関する研究」の他分担施設からの協力を得られる体制を構築するための準備を行った。 動物モデルについては、論文や学会等で報告されたモデルを参考にして、マウス子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルの作成を試みたが、現時点では成功していない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物モデルについては、妊娠マウスの子宮頸管へのLPS投与による切迫早産モデルを解析するとともに、論文、学会等で過去に報告されたマウス子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルを検討し、マウス子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルの作成を行っているが、現時点では成功していない。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のための検体(臍帯)採取については、他施設との研究協力により、研究に必要な検体を集めるための準備を行っているが、研究協力施設での倫理委員会申請などの手続きも必要であるため、十分にはすすめられていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットにおいてはすでにLPS投与による実験的子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルの作成に成功しているが、マウスにおいて検討したところ、LPSに対する反応がかなり異なるため、動物実験を予定通りすすめられていない。今後、LPS投与量や投与方法を検討するとともに、ラットモデルに戻して研究を進めることも考慮していきたい。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のための他施設との研究協力については、各施設での倫理委員会申請をすすめるとともに、有効な検体数を確保するために、さらに研究協力施設を募る予定である。
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Causes of Carryover |
マウスを用いて子宮内感染症を起因とする脳室周囲白質軟化症モデルを作成する予定であったが、これまで行ってきたラットとマウスの子宮内感染症モデルの比較を行い、実験モデルの再検討が必要と考えられたため、動物実験を予定通りすすめることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウスにおいて、子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルを作成するため、LPS投与量、投与方法などを変えた条件検討をするために使用する。
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Research Products
(4 results)