2016 Fiscal Year Research-status Report
子宮内感染による臍帯由来間葉系幹細胞プロファイル変化と脳白質損傷治療効果への影響
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15K09708
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
滝 敦子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20614481)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / 臍帯由来間葉系幹細胞 / 子宮内感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物モデルについては、妊娠マウスの子宮頸管へのLPS投与および羊水腔内LPS投与を行い、マウス子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルの作成を試みた。これまでに報告されているマウス子宮内感染症モデルを参考にして、LPS投与経路を子宮頸管および羊水腔とし、それぞれLPS投与量を変えて検討を行ったが、出生数、新生仔の体重、脳室周囲白質病変の有無および損傷の程度のばらつきが大きく、脳室周囲白質軟化症に対する臍帯由来間葉系幹細胞の治療効果を検討するために有効なモデルを作成することができなかった。今後は、これまでに作成に成功している妊娠ラット羊水腔内LPS投与による脳室周囲白質軟化症モデル、および新生児仔ラット腹腔内LPS投与による脳室周囲白質軟化症モデルに戻して研究を推進していくこととした。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のための検体(臍帯)採取について、他施設との研究協力によって研究に必要な検体数確保をすすめている。研究協力施設で採取した臍帯は一旦凍結保存したものを解凍して臍帯由来間葉系幹細胞を培養し、研究に使用する。当該年度は凍結した臍帯を用いて培養した臍帯由来間葉系幹細胞と凍結していない臍帯を用いたものと比較して、培養細胞数や細胞の形質などの検討を行った。これらに変化がないことを確認したため、今後の研究は、研究協力施設で採取され凍結保存された臍帯を用いて、子宮内感染症により惹起される臍帯由来間葉系幹細胞のプロファイルを正常な臍帯由来間葉系幹細胞を比較することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
妊娠マウスの子宮頸管へのLPS投与および羊水腔内LPS投与を行い、マウス子宮内感染症に起因する脳室周囲白質軟化症モデルの作成を試みたが、マウスの出生率、脳室周囲白質病変の有無および程度が一定せず、有効なモデルを作成することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに作成に成功している、妊娠ラット羊水腔内LPS投与による子宮内感染症による脳室周囲白質軟化症モデル、および新生児仔ラット腹腔内LPS投与による脳室周囲白質軟化症モデルに戻して研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
マウス脳室周囲白質軟化症モデルの作成ができなかったため、脳室周囲白質軟化症に対する臍帯由来間葉系幹細胞治療効果の検討実験ができなかった。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析のための検体(臍帯)採取については、未だ検体数が少なく、今後十分な検体数を確保したのち、まとめて解析を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
すでに作成に成功しているラット子宮内感染症モデルを用いて、脳室周囲白質軟化症へのヒト臍帯由来間葉系幹細胞の効果を検討する研究をすすめていく。 ヒト臍帯由来間葉系幹細胞解析については、研究協力施設と連携して十分な検体数を確保した後に解析する予定である。
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Research Products
(3 results)