2015 Fiscal Year Research-status Report
早産児における尿メタボローム解析の有用性についての検討
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15K09727
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
東海林 宏道 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30365621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮内発育不全 / メタボローム解析 / 尿細管機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠18日目のSDラットに対して両側子宮動静脈結紮術を行い、その後自然分娩で出生したラットをIUGRラットとし、偽手術施行後に出生したラットをコントロール群とした。各群の雄ラット8匹について、生後4週、8週、16週で採尿し、CE-MS法によるメタボローム解析を施行した。 解糖系、クエン酸回路、尿素回路などのエネルギー代謝やアミノ酸、核酸などの生合成経路に存在する全110のメタボライト測定項目のうち54項目が検出された。 出生体重はIUGRラット群で有意に低値であったが、生後4週、生後8週では両群に有意差は認めなかった。 ラットの成熟に伴い、尿中メタボライト排泄は低下した。尿素、アラントイン、クエン酸など、多くのメタボライトで生後4週、16週で両群間に有意差を認めず、control群では生後8週の時点で生後16週と同レベルまで低下したのに比し、IUGR群の低下は緩やかであり、生後8週においてcontrol群との間に有意差を認めた。 ラットの尿中メタボライト排泄は成長とともに低下し、IUGRの有無で生後8週において差異があることが示された。IUGRラットでは、生後8週において多くの代謝物質の尿排泄が多く、近位尿細管機能への影響が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究基盤センター生体分子研究室のご協力をいただいている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットの尿細管機能について、尿中Cys-C、β2MG、NAGなどの測定、組織学的検討を計画している。 ヒトの生後1か月における尿中メタボローム解析を行い、栄養法による差異の有無を検討している。
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Causes of Carryover |
IUGRラットの作成に手間取り、当初の目標検体数を満たせなかった。 ヒトの生後1か月時尿採取について、同意を取得するのに手間取った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度後半より順調に検体数を増やすことができているので、メタボローム解析数を増やすことができる。 ラットの尿細管機能評価のために別途購入試薬を追加する予定。
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