2015 Fiscal Year Research-status Report
プロフィラグリンN末領域による細胞死の分子機構の解明と皮膚癌治療への展開
Project/Area Number |
15K09740
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | profilaggrin / 細胞死 / アポトーシス / 表皮角化細胞 / 皮膚癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.profilaggrin N 末領域とアポトーシス誘導シグナル経路の関連の検討 profilaggrin N 末領域(proFLG-N)とアポトーシス誘導シグナル経路の関連の検討を行った。汎カスパーゼ阻害薬であるZ-VAD-FMK、カテプシン Bを介するアポトーシス経路を阻害するCA074-ME、カルパインを介するアポトーシス経路を阻害するALLN、PD150606で処理した表皮角化細胞に proFLG-ABTコンストラクトやproFLG-Anlsコンストラクトを導入したところ、PD150606で処理した場合に細胞死が有意に抑制された。これよりproFLG-Nによる細胞死にはカルパインを介したシグナル経路が関与していることが示唆された。またネクロプトーシスの関与も検討した。ネクロプトーシスのkey mediatorであるRIPK1、RIPK3の阻害薬であるNecrostatin-1で処理した表皮角化細胞に各コンストラクトを導入したが、細胞死の抑制は見られなかった。 2.proFLG-N と結合する蛋白質 pinin の表皮における発現・機能解析 プロテオミクス解析により核内に存在し proFLG-N と結合しうる蛋白質として同定された pinin の細胞内発現コンストラクトを作製し、リコンビナント pinin 蛋白質の細胞内局在の検討したところ、誘導蛋白質が核内に局在することが確認させた。このpinin誘導蛋白質とproFLGーN誘導蛋白質による免疫沈降法を行ったところ両者の結合が確認された。さらに抗pinin抗体を用いて免疫染色法により正常ヒト皮膚やアトピー性皮膚炎、乾癬などの疾患皮膚でのpininの発現の検討も行った。現在正常皮膚と疾患皮膚との差異について解析している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
profilaggrin N 末領域とアポトーシス誘導シグナル経路の関連の検討に関しては当初の予定通り研究がすすんでおり、いくつかの興味深い所見が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
細胞死のメカニズムに関してはprofilaggrin N 末領域による細胞死がPD150606により抑制されることからPD150606が関与するカルパインを介するシグナル経路についてより詳細な検討を行う。またこの細胞死に関連する分子を網羅的に検索するためRNAマイクロアレイ解析を行う。 また癌治療への展開を目標にprofilaggrin N 末領域ペプチドを用いた研究をさらに進める。
|
Causes of Carryover |
平成28年2月末から3月に発注した物品の納入が年度区切りに間に合わなかったため次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在に物品納入されており、それに対する支払いに使用する。
|