2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spindle orientation control via caveolin1 and Ak2 in skin development
Project/Area Number |
15K09741
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松村 繁 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (60523511)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 細胞分裂軸制御 / 脂質糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞が細胞外基質との接着を起点とした分裂軸制御機構を用いた全キナーゼの遺伝子発現抑制のスクリーニングの結果得られた候補遺伝子AK2は、ATP + AMPから2 ADPの両方向を触媒するミトコンドリア膜間腔に局在するキナーゼである。もう1つの候補遺伝子Pank2はパンテトン酸リン酸化酵素であり補酵素CoA生合成経路の初段階を触媒する。近年、癌細胞における解糖系依存は脂質合成や核酸合成経路を活性化していることが明らかとなってきた。Pank2の発現抑制はcaveolin-1及びGαi1の局所的偏在を消失させ、分裂軸異常を引き起こした。膜ドメイン形成には脂質であるコレステロールやGM1等の糖脂質や糖タンパク質が重要であり、分裂期の膜の不均一性にも重要であろうと推察された。糖代謝を2DG(糖取込阻害)及びLonidamine(Hexokinase阻害剤)による糖代謝経路を阻害によってもcaveolin-1及びGαi1の局在の消失と分裂軸異常が観察された。セラミドに糖を添加し糖脂質合成の初段階の阻害剤AMP-Doxynjirimycin処理によっても同様であった。しかし経路を組み合わせた検証を行ったが糖代謝経路とAK2、Pank2の分裂軸制御に共通機構があるという強い証拠は得られなかった。培養細胞による脂質制御の表現形が安定しなかった為、生体の解析にシフトして研究を行った。AK2のfloxマウスのホモ個体作出を試みたが、通常交配では得られず、PCR法やqPCR法、サザン等の検出方法の改善を試みたが、結果に変化はなかった。体外受精法も試みたが、ホモ個体は得られなかった。AK2のKOマウスは既に胎生致死である。floxed ES細胞選択ように組み込まれたNeoの発現がAK2の発現阻害している可能性が考えられた2種類のFlpマウスとの交配によっても、なぜかNeoを飛ばすことはできなかった。
|