2015 Fiscal Year Research-status Report
D-DTとMIFの生物学的機能の解明と光老化予防および光発癌新規治療への展開
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15K09761
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MIF / D-DT / 光老化 / 紫外線 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化社会において紫外線による皮膚障害は,光老化を生じる美容上の問題ばかりでなく,皮膚発癌にも密接に関わる重大な問題である.炎症性サイトカインであるマクロファージ遊走阻止因子(Macrophage migration inhibitory factor:MIF)は,光老化や光発癌に関与する.近年,MIFと非常に類似性の高い構造を有するD-dopachrome tautomerase(D-DT)が同定されたが,その生物学的機能は解明されていない.本研究では,光老化におけるD-DTとMIFの機能解明を検討した.D-DT過剰発現(Tg)マウス,MIF TgマウスおよびWT(C57BL/6)マウスの背部皮膚に紫外線を継続照射して光老化モデルマウスを作製した.各マウスの紫外線照射皮膚を組織学的に調べた結果,D-DT TgおよびMIF Tgマウスにおいて紫外線照射による表皮の肥厚,炎症性細胞の浸潤およびメラニン沈着の亢進を認めた.また,同部位のRT-PCR法およびWestern blot法を用いた検討では,WTマウスに比べD-DT TgおよびMIF Tgマウスで紫外線照射によるMMP-2およびMMP-9の発現量と産生量の有意な増加を認めた.今後はD-DTとMIFの機能的異同について更なる解析を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
UVBの長期間照射により皮膚癌を発症させる光発癌モデルにD-DT Tgマウス,MIF Tgマウス,WTマウスを適用し,光発癌におけるD-DTやMIFの関与について検討する.さらに,これらの腫瘍細胞の増殖やアポトーシスへの関与についてin vitroの実験系を用いて検討する.
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Causes of Carryover |
物品の納入が年度区切りに間に合わないため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
進捗状況に影響はない
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Research Products
(14 results)