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2016 Fiscal Year Research-status Report

皮膚有棘細胞癌の新規分子標的療法の開発に関する基礎研究

Research Project

Project/Area Number 15K09764
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

三井 広  山梨大学, 総合研究部, 講師 (60372504)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords転写因子 / E2F4
Outline of Annual Research Achievements

我々はLaser capture microdissection法により作成された、皮膚有棘細胞癌組織中の癌細胞に特異的な遺伝子発現リストより、転写因子E2F4が日光角化症、表皮内癌、浸潤癌のいずれにおいても正常表皮に比較して高発現していることを見出した。E2F転写因子は細胞内外からの刺激に対し、細胞の増殖、分化を決定づける重要な転写因子である。近年、癌細胞ではE2F4の癌遺伝子としての働きを支持する報告が、前立腺癌や乳がんの研究からなされている。我々はまず、様々な表皮増殖性疾患におけるE2F4の発現を、免疫染色法で確認した。有棘細胞癌では癌細胞の核を染色することが明らかであった。一方、表皮由来の皮膚悪性腫瘍である基底細胞癌ではその発現はほとんど認められなかった。また、良性の表皮増殖性疾患である脂漏性角化症と尋常性乾癬では、弱い発現を認めるのみであった。さらに、皮膚有棘細胞癌の腫瘍細胞株であるHSC-5やA431では、恒常的にE2F4が発現することをmRNA及び免疫細胞化学法を用いて確認した。これらの結果は転写因子E2F4の発現の有棘細胞癌での特異性を示すものであり、その発生、増殖に何らかの役割を果たすことが推測される。他に、KRT13分子の有棘細胞癌での発現の特異性を、免疫染色法を用いて行い、解析を行っている。今後は腫瘍細胞株を用いて、siRNA法によるE2F4分子の発現を抑制し、その機能解析を行っていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の実験計画では本年度までに、研究の対象分子の有棘細胞癌における機能解析着手している予定であった。その意味では、癌細胞特異的な新規分子の選定に時間を要した。また、治療における直接的な標的になりうる増殖因子などの選定も同時に行っている。

Strategy for Future Research Activity

今後はまず、siRNA法を用いてE2F4分子の発現抑制を抑制した有棘細胞癌の腫瘍細胞株を作成する。PCR法及びwestern blot法を用いて、その発現の減弱が確認したのちに、細胞増殖、遊走能、浸潤能の変化を解析する。これらの実験法については、我々は過去の研究においても行っており、実験手法としてはこれから研究の進捗状況の推進が予想される。また、教室内の実験助手に一部実験の補助をお願いし、研究を推進していく。

Causes of Carryover

本年度に予定した実験計画のうち、siRNAなどの実験には着手していず、その備品購入予定の物品費に一部次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度にsiRNAなどの実験を行うとともに、標的遺伝子の発現を低下した細胞を用いた、増殖能、遊走能、浸潤能の評価をMTT法、wound healing法、migration法などを用いて行う予定である。また、遺伝子の網羅的解析により、転写因子E2F4の標的遺伝子の解析を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 皮膚有棘細胞癌の発生における転写因子E2F4の 役割の解明2017

    • Author(s)
      三井 広
    • Organizer
      第13回加齢皮膚医学研究会
    • Place of Presentation
      コラッセふくしま(福島県福島市三河町)
    • Year and Date
      2017-04-29 – 2017-04-29

URL: 

Published: 2018-01-16  

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