2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09773
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河井 一浩 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90242411)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IL-13 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの表皮内に常在するDETC(dendritic epidermal T cell)の前駆細胞である胎生期胸腺内Vγ3TCR(T cell receptor)陽性細胞はTCR刺激によりIFN-γを産生するのに対して、成熟マウス表皮内のDETCはTCR刺激によりIL-13を産生する。 前年度までに胎生期真皮内および新生仔表皮内のVγ3TCR陽性細胞はIFN-γもIL-13も産生せず、DETC前駆細胞は生後に表皮内でIL-13産生能を獲得することを明らかにした。 DETC前駆細胞の表皮内におけるIL-13産生細胞への分化誘導シグナルの候補分子として表皮ケラチノサイトが産生するTSLPを考えて、TSLPレセプター遺伝子欠損マウスにおけるDETCのサイトカイン産生能を解析したが、野生型マウスと同様にIL-13のみを産生した。また、皮膚の創傷治癒におけるDETCの活性化には表皮ケラチノサイト上のSkint3/Skint9分子が重要であることが最近報告されたため、新生仔表皮内でのDETCの機能分化にもこれらのSkint分子が関与している可能性を考えて、Skint3,4,9遺伝子を欠損するFVB-JaxマウスにおけるDETCのサイトカイン産生能を検討したが、Skint3,4,9遺伝子欠損のないC57BL/6マウスと同様にIL-13のみを産生した。 一方、新生仔表皮を5日間器官培養することにより、DETC前駆細胞がIL-13産生細胞へ分化することを確認した。現在、新生仔表皮器官培養モデルを用いて、表皮内におけるDETC前駆細胞のIL-13産生細胞への分化シグナルを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新生仔表皮器官培養モデルは確立したが、DETC前駆細胞のIL-13産生細胞への分化シグナルの候補分子を同定できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
新生仔表皮器官培養モデルを用いて表皮内におけるDETC前駆細胞のIL-13産生細胞への分化シグナルを同定する。
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