2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism by which circadian rhythm affects development and refractory of allergic disorders.
Project/Area Number |
15K09776
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 則人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30244578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峠岡 理沙 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80464585)
八木田 和弘 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90324920)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アレルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は時計遺伝子が司る体内時計によって、概日リズムとよばれる約24時間周期の生命活動を営んでいるが、概日リズムの乱れが免疫反応やアレルギー反応におよぼす影響には不明な点が多い。 そこで、本研究では、明暗サイクルの攪乱による「概日リズムの乱れ」がアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患の発症と難治化におよぼす影響とその分子機構を究明するとともに、アレルギー疾患の新たな発症予防法や治療法の開発に貢献することを目的とした。 本研究計画では、概日リズムの乱れが接触過敏反応やアトピー性皮膚炎モデルマウスのアレルギー炎症におよぼす影響の検討、新生児免疫寛容におよぼす影響を、明るい環境と暗い環境が12時間ごとに変わる生理的環境(LD12:12)で飼育するマウスと、常に明るい環境(恒常明条件;LL)で4週間飼育するマウスを用いて比較検討した。仔マウスまたは母マウスにハプテンによる接触過敏反応やハプテン繰り返し塗布によるアトピー性皮膚炎モデル反応を惹起し、炎症の程度の病理組織学的な検討、皮膚炎局所に浸潤するT細胞のプロファイル、免疫担当細胞のサイトカイン産生能のフローサイトメトリーやELISAによる解析などを行った。 マウスを用いた検討により、仔マウスの概日リズムの変調は新生児免疫寛容を抑制すること、妊娠母マウスの概日リズムの変調は出生後の仔マウスの新生児免疫寛容を抑制することに加え、マウスの概日リズムの変調はハプテンによる接触過敏反応を抑制することが明らかになった。また、概日リズムの変調により、新生児免疫寛容の成立に重要な制御性T細胞の皮膚組織および所属リンパ節での数の減少がみられた。また、時計遺伝子改変マウスでも同様の現象がみられた。 以上のことから、発達段階での概日リズムの変調は免疫寛容の成立を抑制し、アレルギー反応を増強することが示唆された。
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Research Products
(14 results)