2016 Fiscal Year Research-status Report
SCFは肥満細胞のIL-33依存性MHC class II発現を抑制させる
Project/Area Number |
15K09786
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 友章 東京医科大学, 医学部, 講師 (70398767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 千春 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 教授 (20327836)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肥満細胞 / IL-33 / 転写因子 / PU,1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではIL-33 で刺激された成熟肥満細胞がSCF によりMHC class II の発現が低下する機序について検討し、粘膜型と結合組織型の違いによりIL-33、SCF がMHC class II の発現誘導に関与するか、In vitro とin vivo の実験により検討する。 骨髄培養肥満細胞をIL33±SCFで刺激し、c-kitおよびST2受容体の下流シグナルの違いをウエスタンブロットによって確認した。c-kitのシグナルとしてSTAT3を、ST2受容体のシグナルとしてNFκB、p38、また共通シグナルとしてERK、c-fos、c-Jun、JNKのリン酸化をサイトカンイ刺激後1h、24h、day5に確認した。その結果、IL33刺激によってこれらのリン酸化は亢進されたが、SCFを添加することによるリン酸化への影響はみられなかった。 次にmembrane- bounded SCFによるMHC classII発現への影響を検討するためにNIH3T3との共培養を行った。その結果、可溶性SCFと同様にmembrane- bounded SCFもMHC class IIの発現を抑制する事が分かった。さらに、c-kit inhibitor である imatinibを前処理することで、可溶性SCFによるMHC class IIの発現抑制効果は阻害された。しかし、membrane- bounded SCFに対する阻害効果はみられなかった。このことから可溶性SCFとmembrane- bounded SCFではMHC class II発現への影響が異なると予想された。 SCFによる、c-kit、ST2受容体の下流のシグナルのリン酸化に影響はみられなかったが、MHC class IIの転写因子であるCIITAの発現は抑制されることから、CIITAの転写因子の発現にSCFがどのように関与しているかより詳しく確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度が大幅に研究が進んだため、今年度は余裕をもって進めることができたため
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Strategy for Future Research Activity |
研究は問題なく進行している。そのため、今後も当初の研究計画通りに進めていく。
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Causes of Carryover |
研究は滞りなく進んでいるため、差額は誤差範囲だと考える
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究結果をまとめるために使用していく
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