2015 Fiscal Year Research-status Report
一卵性双生児統合失調症不一致例及び健常一致例の遺伝子発現解析
Project/Area Number |
15K09800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
垣内 千尋 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90342766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 一卵性双生児不一致例 / 網羅的mRNA発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は生物学的な病態の解明が急務である。申請者らはかつて統合失調症一卵性双生児不一致例リンパ芽球を用いた研究から、分子生物学的差異が存在する可能性を示唆した。もし違いが存在すれば、疾患に関わる有力な候補を示しうると考えられるが、そもそも不一致例内に分子生物学的差異が存在するのか、あるのならその差は何か、は未だ明瞭ではない。本研究は、新たに見出した一卵性双生児統合失調症不一致例3組及び健常双生児例3組のリンパ芽球の網羅的mRNA発現解析により、不一致例間に発現の差異はあるのか、を検討した上で、候補遺伝子の同定を試みるものである。平成27年度は、新規に見出した統合失調症不一致例3組(42歳女性、42歳女性、25歳女性)および健常双生児一致例3組(いずれも女性)を対象とし、採血後にリンパ球のみを分離後、Epstein-Barrウイルスを用いて芽球化した細胞を用いた。各双生児内において統計学的に変動している遺伝子を抽出するため、それぞれの双生児について一組あたり3回の独立した培養を行った。それぞれの双生児はセットで培養を行い、双生児ペア一回あたりの条件を可能なそろえることにより、培養による影響が生じないようにした。培養は終了し、Total RNAを抽出し、その後のエクソンアレイによる実験を順次すすめていている。なお、エクソンアレイはSurePrint G3 Human Exonマイクロアレイキット2x400Kを用いており、Total RNA 50ngからCy3標識されたターゲットRNAを作成し断片化、ハイブリダイゼーションを行い、DNAマイクロアレイスキャナ(Agilent DNA Microarray Scanner (G2565CA))を用いて画像の取得を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統合失調症一卵性双生児不一致例リンパ芽球の双生児内で可能な限り条件を揃えて行う培養について順調に施行でき、抽出したmRNAについて順次エクソンアレイによる網羅的mRNA発現解析に供することができている。おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、引き続きエクソンアレイを用いた網羅的mRNA発現解析を勧め、そもそも一卵性双生児統合失調症不一致例リンパ芽球にmRNA発現レベルで差異が存在するのか、存在する場合は、どの遺伝子の発現が変動しているのか、を明らかにし、差がみられたものについては病態への意義を検討していく。
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Causes of Carryover |
本研究の中心課題である一卵性双生児統合失調症不一致例のリンパ芽球の網羅的mRNA発現解析について、まずはリンパ芽球の培養を行った。比較的順調に進行したものの、独立しての培養など慎重に行う必要があり、その後の発現解析についての当該年度内に終了できなかったものがあったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続きの網羅的mRNA発現解析を順次施行していくとともに、一卵性双生児統合失調症不一致例内に差異の有無を検証する。解析より候補遺伝子が判明すれば、その病態への関与についての検討を、翌年度の助成金とあわせすすめていく。
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