2016 Fiscal Year Research-status Report
うつ病に対するECTの改善効果:MRSとPETによるエネルギー代謝の検討
Project/Area Number |
15K09803
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50397428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勝昭 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00285040) [Withdrawn]
横倉 正倫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00529399)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10285025) [Withdrawn]
亀野 陽亮 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40537255)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | うつ病 / 電気けいれん療法 / ブドウ糖代謝 / PET / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、うつ病に対するECTの治療前後における糖代謝と乳酸産生量の関係について比較検討することを目的とし、① PETにより脳内ブドウ糖代謝を、② 1H-MRSにより脳内の乳酸産生量を計測することとした。しかしながら、器質性の傷害のないうつ病の脳内において、乳酸の動態の変化を1H-MRSで検出することは、技術的に信憑性に乏しいデータしか取得できないことが判明した。 このため、当初の18F-FDG PETによる脳代謝と安静時fMRIによる脳内のdefault modeでの脳血流の関係を明らかにすることとした。 ECT はパルス波治療器サイマトロン(米国ソマティックス社製)を使用し、『米国精神医学会タスクフォース-ECT実践ガイド』(医学書院)に準じて施行する。静脈麻酔薬はプロポフォール、筋弛緩薬はスキサメトニウムまたはベクロニウムを使用し、電極配置は両側性とする。初回の刺激用量は half-age法に従って決定し、発作波の発現により刺激用量を増加する。ECTの施行は週3回の頻度で最大12回施行する。担当医により抑うつ症状の十分な改善が得られたと判断された時点で施行を終了する。 ECT 試行前(T0)、ECT の最終施行2週間後(T1)に以下の症状評価(Brief Psychiatric Rating Scale (BPRS) 、Hamilton Rating Scale for Depression (HRS-D) 、Beck Depression Inventory (BDI) 、Mini Mental State Examination(MMSE))、および、脳画像検査(18F-FDG PET、安静時fMRI)の撮像を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していたMRスペクトロスコピー(MRS)からfMRIに脳画像のモダリティーを変更したため、当初の研究の進捗予定より大幅な遅れが出ている。現在、撮像プロトコルの設定および予備実験を早急に進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIの撮像プロトコルの設定し、予備実験を終えた後、被験者の撮像を開始する。電気けいれん療法が適応となるうつ病の患者および健常者各10名を年内に撮像することを目標とする。
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Causes of Carryover |
当初の研究予定であった18F-FDG PETと1H-MRSの脳画像のモダリティーのうち、1H-MRSを安静時fMRIによる脳内のdefault mode検出に計画を変更した。このため、患者のリクルートが行なえず、検査費および謝金に関する支出がなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者のリクルートを再開し、18F-FDG PETと安静時fMRIの検査費および謝金を支払うため、次年度使用額を支出として計上した。
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