2016 Fiscal Year Research-status Report
幼少期ストレスが成体海馬神経細胞新生に及ぼすエピジェネティクス作用の解析
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15K09805
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
朴 秀賢 神戸大学, 医学研究科, 講師 (60455665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱本 明豊 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50529526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNMT / 母子分離ストレス / miRNA / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度の報告書に記載した、成体ラット海馬において母子分離ストレスによりDNAメチル化が増加する可能性がある4つの遺伝子についての機能解析を試みたが、残念ながらDNAメチル化の変化と発現量変化が相関せず、機能解析は頓挫した。しかし、データを再解析した結果、あるnon-cording regionにてDNAメチル化が母子分離ストレスにより劇的に変化していることを見出した。non-cording regionであるため解析は困難を極めているが、現在その機能的意義を解析しているところである。 また、ストレスホルモンであるグルココルチコイドがDNMTの発現に及ぼす作用とそのメカニズムの解析は順調に進んでいる。 更に、母子分離ストレスが成体ラット海馬と血清の双方において増加させるmiRNAを網羅的解析により同定することに成功した。その機能解析を現在行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期待通りの結果が出なかった面もあるが、予想外の興味深い結果も得られており、全体的には概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
母子分離ストレスで劇的にDNAメチル化が変化するnon-cording regionの機能解析を進めていく。 また、グルココルチコイドがDNMTの発現に及ぼす作用とそのメカニズムの研究を固め、論文化を目指していく。 母子分離ストレスにて海馬と血清の両方で同様に変化するmiRNAは病態メカニズムの解明のみならず幼少期ストレスのバイオマーカーになる可能性も期待され、基礎的な検討に加えて臨床サンプルを用いた検討も行っていく。
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