2015 Fiscal Year Research-status Report
初発統合失調症の事象関連電位MMNを用いた病態生理研究
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15K09823
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒木 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00456120)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学医学部附属病院精神神経科外来もしくは病棟において同意を得られたリスク期患者、初発統合失調症患者、さらに健常被験者に対して、事象関連電位の測定を行った。リスク期患者21名(男性12名女性9名)、初発統合失調症患者20名(男性15名女性5名)、健常被験者22名(男性18名女性4名)に対して、聴覚mismatch negativity(MMN)課題を用いた事象関連電位測定を終えている。なお本研究は東京大学倫理委員会の承認を得ている。 聴覚刺激において、持続時間を変化させた持続時間MMNと周波数を変化させた周波数MMNの2種類の事象関連電位成分を測定し、それぞれのMMNの振幅を各個人で測定し、統計解析を行った。その結果、持続時間MMNにおいては、3群間で有意差がみられ、さらなる解析によって、リスク期患者と健常被験者、初発統合失調症患者と健常被験者との間に有意差が認められた。周波数MMNにおいては群間で有意差は認められなかった。 これらより、リスク期患者において発病前から何らかの脳の生理学的基盤の変化が認められることが明らかとなった。またリスク期について鋭敏に変化をとらえる課題と、そうでない課題があることが明らかになった。これらの被験者に対して、神経心理検査や血液生化学的マーカーの取得も行っており、解析をすすめているところである。また、1年後の縦断的解析のためのデータの取得も徐々に進んでいるところである
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事象関連電位の測定のみでなく、神経心理検査や血液生化学的マーカーの取得も含めて、統計解析に耐えうる人数が集まっている。まだ縦断解析ができるほど2回目の測定は進んでいないが、予定通り、順調にデータの取得が進んでいると思われる
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新たな被験者のリクルートを行い、事象関連電位の測定を行う。 また縦断的検討のために、2回目、3回目の測定を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究計画に従って、研究費を使用してたが、年度当初より、物品費の購入が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費の物品費に合算して、使用する
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