2017 Fiscal Year Annual Research Report
Protective and risk factors associated with progressive brain alterations in schizophrenia
Project/Area Number |
15K09825
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉原 玄一 京都大学, 医学研究科, 助教 (70402261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 雄二郎 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00529464)
大石 直也 京都大学, 健康長寿社会の総合医療開発ユニット, 特定講師 (40526878)
生方 志浦 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40738960)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症の診断は臨床症状とその経過によってなされる。しかし、その背景にある病態は均一ではなく、異なる病態生理が関与しているとされる。すなわち、統合失調症は異種性を持つ。これまでの多くの研究では統合失調症は単一の群として扱われており、その異種性に着目した研究は多くない。本研究では、統合失調症の背景にある病態の異種性について多面的に検討を行う。すなわち、脳画像を用いた層別化、自己免疫に関連する一群の検出、喫煙など生活習慣に関連した臨床症状の特徴などである。 脳画像を用いた層別化では、教師なし機械学習を用いたデータ駆動型アプローチにより統合失調症の灰白質の菲薄化に複数の異なるパターンがあることを見出した。菲薄化がもっとも顕著だった群は抗精神病薬を高容量内服している傾向があった。また、菲薄化が目立たない群では統合失調症の陰性症状が軽度である傾向が示された。 自己免疫に関連する一群に関する検討では、統合失調症様症状に関連する抗N-methyl-D-aspartate (NMDA)受容体抗体に着目し、100名を超える統合失調症患者の血液サンプルを用い、同抗体を調査した。過去の研究では、統合失調症患者における抗NMDA受容体抗体陽性の割合は7%ほどと報告されているが、我々のサンプルには同抗体陽性の患者は認めなかった。これまでの研究において、その陽性の割合が過度に高く見積もられている可能性が示唆された。統合失調症に関連する新規自己抗体に関する研究が求められる。
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Research Products
(6 results)