2016 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症の脳内グルタチオンと脳構造・血流への影響
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15K09826
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉原 雄二郎 京都大学, 医学研究科, 研究員 (00529464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 玄一 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70402261)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グルタチオン / スペクトロスコピー |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画と異なり、末梢血のグルタチオンの研究から日内変動、隔日変動が報告されていること、また、動物脳内のグルタチオンでも日内変動が指摘されていることから、健常者での日内変動・隔日変動の検討が追加された。さらに健常者のグルタチオンは、過去の末梢血液の研究から、食事・運動の影響を受けることが判明している。また、グルタミン酸は、グルタチオンを生成する代謝経路で重要な役割を果たしており、グルタチオンと同様に食事や運動に影響を受けやすいことも最近の末梢血の研究で判明している。疾患によるグルタチオン・グルタミン酸の病態を計るには、食事・運動の影響も考慮する必要性が生じたため、健常者で検証することとなった。 平成28年度は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院・医の倫理員員会に2つの倫理書類「健常者の脳内グルタチオンとグルタミン酸濃度の日内・隔日変動と運動・食事習慣との関連性について」「統合失調症患者の脳内グルタチオン・グルタミン酸濃度と運動・食事習慣・認知機能との関連性」を提出・承認された。健常者の研究では、運動あり・なしの群、偏食あり・なしの群のデザインで実施する計画となった。 また、グルタチオン測定のためのMEGA-PRESS使用願いをSIEMENS社に提出を行った。 グルタチオンのMRスペクトロスコピーによる測定は、京都大学脳機能総合研究センター、明治国際医療大学との共同作業により、準備段階を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
健常者でのグルタチオンの日内変動が強く疑われるため、健常者での検証が必要となり、統合失調症群・健常者群の2群の比較という当初の計画から追加実験が発生したこと、また、MEGA-PRESSの提供が即時、困難なため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度5月中に、グルタチオンのPhantom実験施行、人体による測定方法を確定予定である。次に健常者での日内変動・隔日変動を実施し、2群(健常者群・統合失調症群)での測定も同時に実施予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画が遅れており、被験者の撮像に、至っていないため、MRI使用量、被験者への謝金が発生していないため、0より大きい額となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MRI使用量が、日内変動の場合は、1日あたり最大24万円必要である。健常者の日内変動で4日撮像する場合でも、約100万円使用される。また、隔日変動の研究でも一人当たり12万円、10人でも120万円が使用される。加えて、運動あり・なし群、偏食あり・なし群でも一群あたり、最低20人の被験者が必要であり、一人あたり謝金・MRI使用量を含めると3万円が必要である。三群で実施した場合でも最低60万円使用される。その他、グルタチオンPhantom実験のためにMRI使用量・薬剤購入費・共同研究の施設への交通費などが発生する予定である。
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