2016 Fiscal Year Research-status Report
初発統合失調症とハイリスク群におけるγ帯域皮質活動異常の包括的解明
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15K09836
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平野 羊嗣 九州大学, 大学病院, 助教 (90567497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神庭 重信 九州大学, 医学研究院, 教授 (50195187)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 初発統合失調症 / クリニカルハイリスク群 / ガンマ帯域皮質活動 / 脳波 / 脳磁図 / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は、その高い罹患率に加え、好発年齢が若く、発症後に進行性の脳機能と社会機能の低下をきたすため、患者の社会生活を脅かすだけでなく、結果的に本疾患が社会全体に及ぼす影響とその損失は計り知れない。よって、統合失調症の病態の解明、早期診断、早期介入は、社会全体においても緊急の課題であり、発症にいたる脳の病的な機能的変化を科学的に検証し、解明する必要がある。近年の研究によって、統合失調症では、知覚や認知機能をつかさどるガンマ帯域 (30-100 Hz) の皮質活動が異常をきたし、それが病態に関連することがわかってきた。本研究は、初発統合失調症の発症前後およびクリニカルハイリスク群(発症ハイリスク群)における、ガンマ帯域皮質活動異常の、縦断的かつ包括的な解明を進めることで、同疾患の早期診断や早期介入、新規治療法の開発といった、臨床応用を視野に入れたバイオマーカーの確立を目指している。昨年度は、各群の被験者のリクルートおよび各種検査(脳磁図、脳波、認知機能検査、社会機能検査など)のset upを行い、それぞれのデータの集積を開始した。本年度は、初発統合失調症群、クリニカルハイリスク群、健常対象群において、初発・初診時のデータ(baseline/Time 1)の集積を継続して行い、それぞれのデータについての解析も開始した。また、同時に、各対象者における1年後のフォローアップデータ(Time 2)の集積も開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、各群の被験者のリクルートおよび各種検査(脳磁図、脳波、認知機能検査、社会機能検査など)のset upを終え、それぞれのデータの集積を開始し、データについての解析も開始することができた。また、同時に、各対象者における1年後のフォローアップデータ(Time 2)の集積も順調に開始することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな初発統合失調症・クリニカルハイリスク群、および1年後のフォローアップデータの集積が滞りなく遂行できるように、研究分担者と国内の連携研究者の協力の元、効率よく研究を推進していく。また、データ集積と平行し、各解析の専門家(数理解析:水原・上野、時間周波数解析:KM Spencer)と連携しつつ順次解析を行う。特に、初発・初診時のデータ(Time 1)に関しては、解析結果を積極的に国内外の学会で発表し、論文投稿も行う。
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Causes of Carryover |
一部検査を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の検査・解析・発表等に使用する予定である。
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