2015 Fiscal Year Research-status Report
認知行動療法の効果予測指標および効果判定指標の開発についての研究
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15K09857
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大渓 俊幸 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 准教授 (60456118)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不安障害 / 認知行動療法 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は不安障害患者を対象として認知行動療法を施行し、脳画像と臨床指標について患者群と比較対照群を比較する横断的な検討と、患者群の認知行動療法による変化を継時的に追跡する縦断的な検討を行うことにより、認知行動療法の治療効果予測指標と治療効果判定の生物学的な客観指標を開発することを目的としている。 初年度となる平成27年度は被験者のリクルートを開始し、FreeSurferを用いた全脳および関心領域の大脳皮質体積の測定と脳形態の解析を行うために必要な情報収集と技能修得の目的でハーバード大学精神神経画像研究室に出張することを計画していた。 平成27年度の成果としては、社交不安障害患者14名と比較対照となる健常者20名から研究協力の同意を得ることができ、MRI検査、構造面接、各種質問紙を用いた症状や状態像の評価を行った。次に、社交不安障害患者群に対しては週に1回の頻度で認知行動療法を施行し、全員で症状の改善が見られた。その他、FreeSurferを用いた解析を行うために必要な情報を収集し、有用な技能を修得することができた。 本研究は統計解析が可能となるために十分な数の被験者のリクルート、認知行動療法の施行、認知行動療法による改善者群を得ることが不可欠となる。平成27年度はそのために必要なデータを十分な対象者数で準備することができた。 今後の研究の展開については、被験者のリクルートを継続してさらに対象者数を増やすとともに、用手的な手法による関心領域の体積測定を行う。また、これと併行してFreeSurferを用いた解析を正確に行うために新しく開発された技法の修得と脳構造の解析に関する最新情報の収集を目的とする海外出張を予定しており、平成29年度末までにはFreeSurferを用いた解析と予定していた大脳白質の解析を行うことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、初年度だけでは十分な数の対象者をリクルートすることができず、そのことが研究全体の進捗に影響することが考えられた。しかしながら、想定していたよりも多くの人数の対象者で認知行動療法を施行することができ、その全員で改善が得られた点で当初の研究計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も被験者のリクルートと認知行動療法を施行して対象者数を増やす努力を続け、用手的な手法による関心領域の体積測定を継続的に行う。 当初の予定よりも被験者のリクルートが進んでいるため研究計画を一部変更し、平成29年度までに対象者数を十分に増やして被験者のリクルートを終了し、予定していた解析をすべて行うことを目指す。
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