2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on brain pathological change and identification of predicting factors of developing schizophrenia
Project/Area Number |
15K09858
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
管 心 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20553704)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 統合失調症 / 早期精神病 / バイオマーカー / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
高頻度の標準刺激と低頻度の逸脱刺激に対する事象関連電位の差分から算出される聴覚mismatch negativityは、聴覚の自動的な注意過程や感覚記憶機能を反映すると考えられるがその産生にはNMDAグルタミン酸受容体が関与している。統合失調症においてはMMNの振幅低下が繰り返し報告されており、統合失調症の有用なバイオマーカーの一つである。 我々は19人の初発統合失調症群、21人の精神病ハイリスク群、16人の健常群を対象に、MMNの振幅と潜時および血漿中のグルタミン酸濃度を測定した。持続時間変化によるMMNの振幅は統合失調症群およびハイリスク群で健常群と比較して低下していた。また統合失調症群で健常群と比較してグルタミン酸濃度が上昇しており、グルタミン酸濃度が高いほど持続時間変化によるMMNの振幅が低下していた。これらの結果から、聴覚MMNが初発統合失調症のグルタミン酸機能を反映する有用な生物学的指標であることが示唆された。本研究の結果をScientific Report誌にて発表した。 また、持続時間変化によるMMNと周波数変化によるMMNを、14人の初発統合失調症群、16人の精神病ハイリスク群、16人の健常群を対象に、一年間の間をおいて測定した。その結果持続時間変化によるMMNは初発統合失調症群、ハイリスク群の両方で初期から健常群より低下していたが、周波数変化によるMMNは低下が見られなかった。この結果は、持続時間変化によるMMNが統合失調症のリスクを示す生物学的指標であることを示唆している。本研究の結果をSchizophrenia Research誌にて発表した。
|
Research Products
(9 results)