2015 Fiscal Year Research-status Report
注意欠如・多動症の脳磁図研究―病態解明から臨床検査へ
Project/Area Number |
15K09860
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北村 秀明 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (00361923)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 注意欠如・多動性障害 / 脳磁図 / 脳波 / 早期発見 / 補助検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象と目標人数は、ADHD患者40名とASD患者(病的対照群)40名である。専門外来、関連医療・教育機関からリクルートし、正常対照群40名を大学コミュニティーで募集する。最初に安静時のMEG計測、次に課題時のMEG計測を行うが、後者は神経認知(注意・遂行機能)と社会認知(顔・視線認知)の2種の課題を含む。患者が精神刺激薬の治療を受ける場合は事前にMEG計測を行い、薬物反応性の予測を行う。MEG解析はBrainstorm 3、voxel-based morphometry (VBM)はSPM12、diffusion tensor imaging (DTI) はVolume-One/dTV.II.SRおよびFSL/TBSS、surface-based morphometry (SBM)はFreeSurferで行う。ADHDの機能障害の全体像を、クラスター分析・自己組織化マップ・共分散構造分析といった高次統計学を用いて統合的に検討する。 平成27年度に実施した研究の成果としては、研究代表者が勤務する精神科専門病院にADHDの特殊外来を開設してADHD患者をリクルートして、安静時MEGの比較対象測定となる安静時EEGについて、脳波CDM解析機能プログラムを用いて周波数解析を行い、帯域トレンドを短時間分解能で表示しつつ、まずはシータ波のパワー値を解析した。結果、数名の被験者であるが、頭皮上電極CzまたはFzにおいてシータ波パワー値の相対的増加が観察された。一方で、てんかん性のEEG異常は皆無であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安静時EEG計測の後は、安静時のMEG計測、そして課題時のMEG計測に移行する予定である。MEG計測は測定と解析により多くの時間を要するので、さらに加速して進めていきたい。協力施設の研究者に協力を依頼する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、安静時MEGの比較対象測定となる安静時EEGについて、脳波CDM解析機能プログラムを用いて周波数解析を行い、帯域トレンドを短時間分解能で表示しつつ、まずはシータ波のパワー値を解析した。結果、頭皮上電極CzまたはFzにおいてシータ波パワー値の相対的増加が観察されたが、平成28年度はこの所見の有無や程度をMEGで計測してEEGとの比較を試みる。
|