2016 Fiscal Year Research-status Report
生体肝移植後におけるレシピエントとドナーの精神症状に関する臨床研究
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15K09868
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光安 博志 九州大学, 大学病院, 特別教員 (00533176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 弘詔 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50224762)
大橋 綾子 九州大学, 大学病院, 助教 (50774519)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リエゾン精神医学 / 生体肝移植 / せん妄 |
Outline of Annual Research Achievements |
I. 後方視的研究 後方視的研究では、新規のアンケート調査は実施はしないことと変更し、診療録による調査のみを実施することとした。対象者数は、ドナー113名(女性47名、男性66名)、レシピエント113名(女性65名、男性48名)について調査した。平均年齢はドナーが39.6歳(最少年齢20歳、最高年齢64歳)、レシピエントが54.7歳(最少年齢10歳、最高年齢74歳)。ドナーでは、手術前に精神疾患既往は1名、不明が1名。手術後では、睡眠障害が19名に認められた。レシピエントでは、精神疾患既往あり(重複あり)は、18名(15.9%)で、診断(併存含め集計)はアルコール依存6名、睡眠障害11名、うつ病2名、精神病性障害1名、不安障害1名、手術後では、睡眠障害40名(69.0%)、せん妄12名(20.7%)、薬剤性精神障害3名(5.2%)、うつ病1名(1.7%)、心身症1名(1.7%)、ベンゾジアゼピン系薬剤離脱1名(1.7%)であった。精神疾患の発生と他の要因との関連性について今後解析をする予定である。 Ⅱ.前方視的研究 平成28年度に研究に同意取得して新規参加した対象者は、ドナーが16名、レシピエントが13名だった。術後の心理検査などのデータ(臨床情報、ソーシャルサポートのアンケート、人格検査NEO-FFI、生活の質アンケートSF-36、不安抑うつの質問票HADS、ドナーの移植アンケート、レシピエントのAUDIT)の収集の状況としては、術後3か月後はドナーが11名、レシピエントが10名。術後6か月後はドナーが8名、レシピエントが8名。術後12か月後はドナーが1名、レシピエントが1名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ⅰ.後方視的研究は診療録レビューによる調査について症例数を増やしている。 Ⅱ.前方視的研究は対象者の新規参加が進んでおり、参加した対象者のフォローアップでのデータ収集もできている。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ.後方視的研究はアンケート調査は実施を中止とし、平成28年度に収集した診療録レビューによる調査結果について統計解析をすすめる。 Ⅱ.前方視的研究は対象者の新規参加の対象者を増やしていく。また、参加した対象者のフォローアップでのデータ収集を継続し、統計解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画よりも参加した対象者数が少なかった。予定した心理検査(SCL-90-R)の使用を中止したので使用料の支出がなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象者を増やしていく(謝礼への使用、各種心理検査用紙の購入)、またデータの解析のためのパソコンおよびソフトウエアの購入、研究領域の学術情報の収集のための関連学会等への参加(旅費など)へ使用する。
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