2015 Fiscal Year Research-status Report
南九州における地域在住高齢者の抑うつに関する縦断的介入研究
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15K09870
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤瀬 昇 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20305014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 学 熊本大学, その他の研究科, 教授 (60284395)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 老年期うつ病 / 地域介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はあさぎり町の免田校区を対象に調査を実施した。1730名の高齢住民にアンケート用紙を郵送し、1027名から有効回答を得(回収率59.4%)た。そのうち、2次調査の該当基準である、自記式の老年期うつ病評価スケール(Geriatric Depression Scale ; GDS)陽性、強い経済的不安、希死念慮(たまにでも)のいずれかが該当した対象者は288名(28%)であった。該当者全員に対し2次調査の案内を郵送した。2次調査は町の保健センターにおいて、連続しない2日間で行い、精神科医による診断面接を実施した。2次調査に参加した住民は71名(24.7%)であった。うつ病と診断された住民は3名で、老年期うつ病の出現率は2.9%であった。その他に精神科診断が付いた住民の内訳は、認知症3名、アルコール依存症1名、身体表現性障害1名、死別反応1名であった。調査終了後には、面接に参加した精神科医全員と地元保健師とで、うつ病と診断された住民を含め何らかの精神疾患が疑われた住民への対応について話し合った。 一方、2次調査への不参加者211名(73.3%)のうち、146名(68.9%)の住民に対し電話調査が実施できた。精神科医、近隣地域の精神科医療機関に所属する精神保健福祉士、保健師が電話をした。そのうち、精神科医が定期的に町住民に対して行っている相談事業に繋げた人が4名、役場保健師の訪問あるいは連絡を了解された人が27名であった。ちなみに電話調査不可だった66名についても、その内訳としては「精神科通院中との連絡あり」が5名、「不在、電話番号不明」が57名、「死去・転居」が1名で、「事前に拒否の連絡あり」は3名だけであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近隣に位置する地元精神科病院の協力が得られ、同院に所属する精神保健福祉士複数名で分担し、不参加者への電話調査を比較的スムーズに実施することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は電話調査に関して、不審電話とみなされる心配をしていたが、思っていた以上に住民の受け入れは良好な印象であった。行政機関への目立った苦情などもなく、来年度以降も実施可能と考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加が中止となり、電話調査のための人件費が予想より低額となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電話調査実施率を上げるため、予定していた人件費に上積みしたい。
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