2015 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍イメージング剤としての放射性金属-八臭素化ポルフィリンの開発研究
Project/Area Number |
15K09886
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北村 陽二 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (10368483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (30347471)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射性医薬品 / ポルフィリン / 腫瘍 / 錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金属との結合が非常に速い八臭素化ポルフィリン誘導体に着目し、新規「放射性金属-八臭素化ポルフィリン錯体」を開発し、腫瘍イメージング剤への応用の可能性を明らかにすることを目的として検討を行った。八臭素化ポルフィリン誘導体として、Octabromotetrakis (4-carboxyphenyl)porphine(OBTCPP)を選択し、放射性金属である111Inで標識した111In-OBTCPPの、基礎的性質、及び結腸癌への集積性の検討を行った。111In-OBTCPPの脂溶性を評価するため、オクタノール-リン酸緩衝液分配比(logP値)を調べた所、logP値は0.38となり、脂溶性は高くないことが示された。また、Colon26細胞(マウス結腸癌由来細胞株)をBALB/cマウスに移植することで担癌マウスを作製し、実験に用いた。111In-OBTCPPを尾静脈から投与した後の担癌マウスにおける体内分布を検討した。その結果、111In-OBTCPPは肝臓、腎臓に高い集積を示したが、腫瘍へも集積し、投与24時間後で、腫瘍へ約5% dose/gの集積を示し、腫瘍/筋肉比は、10以上を示した。以上の結果は、111In-OBTCPPが結腸癌に集積する可能性を示しており、腫瘍イメージング剤となり得る可能性を有していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射性金属での標識に関しては111Inによる標識のみであるが、担癌マウスでの腫瘍集積性の検討まで行っており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、111In-OBTCPPに関して、多様な種類の腫瘍を用いて腫瘍集積性を確認するとともに、その集積メカニズムの検討を行う。 また、111In以外の放射性金属による標識法の検討、および、より体内動態の優れた化合物の開発を目指す。さらに、SPECT撮像を行い、腫瘍イメージング剤としての可能性を評価する。
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Causes of Carryover |
H27年度は報告者の所属するアイソトープ総合研究施設の改修工事が行われていたため、支出額が予定よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
種々の腫瘍細胞の培養および担癌モデルマウスを作製に使用する。
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