2015 Fiscal Year Research-status Report
虚血性脳血管障害のCT診断に関する研究―CT・Zスコアマップと4D-CTAの応用
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15K09910
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Research Institution | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
Principal Investigator |
木下 俊文 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 副センター長 (70314599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 知己 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 特任研究員 (30751739)
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 主任研究員 (40360359)
梅津 篤司 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 主任研究員 (40370259)
木下 富美子 (児玉富美子) 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 主任研究員 (50304225)
高橋 規之 秋田県立脳血管研究センター(研究局), その他部局等, 特任研究員 (90595076)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / CT / 統計画像解析 / 灌流CT / 4D-CTA / MRI / 磁化率強調像 / 可逆的虚血領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
CT・Zスコアマップは単純CTで急性期脳梗塞の早期虚血変化を反映したCT吸収値の低下した領域をZスコアの上昇として表示する手法として開発したが、標準偏差の2倍以上低下した領域を図示したマップを用いると可視的に低吸収変化がある領域が捉えられないことがあった。標準偏差以上低下した領域を図示するZスコアマップで評価すると疑陽性が多くなるが、早期浮腫の変化を明瞭に捉えることがあり、補助的診断法として用いる際に表示するZスコアの閾値を可変させる有用性が示唆された。白質の早期浮腫がZスコアマップで鋭敏に捉えられ、正常データベースで白質の標準偏差が灰白質の標準偏差に比較して小さいことに起因すると考えた。 一方、320列面検出器CTを用いて急性期脳梗塞の症例に全脳のダイナミックスキャンを行い、動脈相から静脈相の連続した4D-CTAとCT灌流画像を同時に取得したデータの解析法について検討した。4D-CTAで狭窄・閉塞端だけでなく、軟髄膜吻合血管を介した側副血行路やsplenial branchを介した側副血行路などの微細な側副血行路を評価するために分解能を担保する必要があり、加算平均処理した4D-CTAの画質向上を確認した。4D-CTAの動脈相の画像を加算平均して得たangiographic source imageは単純CTで観察される早期虚血変化の虚血領域が明瞭に描出された。4D-CTAでの動態的情報とCT灌流画像を対比して検討し、狭窄・閉塞部位の末梢側の皮質枝に造影剤が遅れて流入する所見はTTPやTmaxの延長に対応し、狭窄・閉塞部位より遠位側の血管内に造影剤が停滞して静脈相に至って持続的に描出される所見はMTTの延長に対応し、側副血行路の発達している領域ではCBVの上昇傾向がみられ、4D-CTA所見とCT灌流画像のパラメータ変化に対応がみられることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
急性期脳梗塞の4D-CTA、CT灌流画像の解析法を検討している段階である。解析ポイントを工夫することにより、可逆的虚血領域の指標の仮説が立てられると考えられ、決定的な遅れとは言えず、やや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
急性期脳梗塞の単純CT診断における早期虚血変化の検出能について検討を進め、Zスコアマップで捉えられる早期白質浮腫について明らかにする。急性期脳梗塞を対象とするCT灌流画像と4D-CTAの対比について症例数を増やしながら検討を進める。
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Causes of Carryover |
解析用パソコン、ソフトを購入する予定であったが、最新の情報を得ながら本研究の遂行に適切なハードとソフトを見極めるために時間を要した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ処理用のパソコンとソフトを購入する。情報収集と成果発表のための学会出席の旅費などに使用する。
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