2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for multifaceted PET analysis of multiple sclerosis based on the neuronal-glial-blood vessel linkage
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15K09912
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
天滿 敬 大阪薬科大学, 薬学部, 教授(移行) (90378787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 秀博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤研究員 (30322720) [Withdrawn]
小野 正博 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80336180)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 画像診断 / PET / 多発性硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、原因不明の難病である多発性硬化症(MS)を対象に、MS病態理解のためのPET解析基盤を構築する。また、MS標的PETプローブを効率的に開発し、これらを併せることで、MS発症分子メカニズムの解明のみならず、MSの早期診断・予後予測・治療効果予測法の開発など新たなMS臨床診断法の開発に貢献する。本年度は、以下の検討を行った。
(1)MS標的PETプローブの開発:MSは脳、脊髄の白質が硬く瘢痕化する病理的特徴を有している。そこで保有する脳疾患プローブライブラリの中から脳内正常白質への高い集積性を有する18F-PQ6に着目し、これを用いたMS病態のPET/MRI解析を試みた。MS動物には実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスを採用し、7T MRIによる磁化移動率(MTR)撮像および18F-PQ6を用いたmicro PET撮像を連続的に施行した。PET画像とMRI画像の位置合わせを行った後、MRI画像にて関心領域を設定し、延髄、脊髄領域のMTR値と放射能集積(SUV)を調べた。その結果、EAEマウスは対照マウスに比べ同等のMTR値を示した一方で有意なSUVの低下を認めた。以上より18F-PQ6は高感度なMS白質病変プローブとなり得る可能性が示された。 (2)L-3-11C-lactateを用いたPET法の開発:昨年度から継続してL-3-11C-lactateを用いたインビボPET実験を行った。その結果、L-3-11C-lactateは速やかに代謝され投与10分後の血中未変化体は10%程度であり、さらに、主要代謝物は糖新生により生成したと考えられる11C-glucoseであることが明らかとなった。L-3-11C-lactate投与早期のPETデータを用いて血液画分を考慮したコンパートメント解析を実施したところ、絶食条件下において乳酸が脳に積極的に取り込まれる可能性が示された。
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