2016 Fiscal Year Research-status Report
脳虚血性疾患における非侵襲的血流評価法: IVIM-MRIの確立に向けて
Project/Area Number |
15K09914
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 元 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (20333817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 幹 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00361098)
麦倉 俊司 東北大学, 大学病院, 准教授 (20375017)
木下 俊文 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), 放射線医学研究部, 副センター長 (70314599)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血流 / 酸素飽和度 / 拡散強調画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
MRIを用いたIVIM (intravoxel incoherent motion) イメージング法は、拡散強調画像を利用して、組織内を流れる血液に関連した情報を抽出する方法です (拡散強調画像は、動いている水分子の信号を捉えることができます)。本研究では、その方法によって抽出された情報が、どのような意義を有するものか、理論的、実験的に明らかにし、虚血性疾患などに応用しようとするものです。 平成28年度の研究では、コンピュータシミュレーションを用いた研究により、毛細血管を流れる血流の速度と、拡散係数の関係が明らかとなりました。動物実験などによりこれまで測定されている血流の速さを適用すると、毛細血管内の血流による見かけの拡散係数は、これまで考えられていた値よりも小さいことが明らかとなりました。これは水の拡散係数に近いため、このことからも脳脊髄液からの信号を除去することが重要であることが理解できました。さらに、撮像方法についても、信号雑音比が小さいときはb値と呼ばれる量を少なめにして加算を増やし、信号雑音比が大きいときは、加算をせずb値を多くして撮像すると良いことも分かりました。 重要な発見として、そのようにして得られる血流成分の情報から、血液酸素飽和度を得られることが分かりました。この値は、臨床的意義が大きいものと期待されます。脳の研究だけでなく、十分な血流信号を得るために、脳よりも血液量の大きい腎臓を用いて臨床研究を行うことにしました。その結果の一部を昨年の第24回国際磁気共鳴医学会年次総会[1] で発表しました。また第44回日本磁気共鳴医学会大会 (2016, P2-076) では関連するコンピュータシミュレーションの結果を発表しました。
[1] Nagasaka T. et al. Proc. ISMRM (2016), 3900.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファントム実験が、(3Dプリンターの不具合が原因で) まだ終了していません。 酸素飽和度を効率よく測定するため、新しいシークエンスを考案し、作成に取りかかっていますが、まだ作成できず、このシーケンスを用いての秋田脳研における臨床研究が遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンターは、この4月から使用可能となり、モデルを作成中で、今年はファントム実験を終了できる見込です。 新しいシークエンスにについては、今後ひと月ほどを見て、作成が出来なければ、新しいものにたよらず現在使用可能なシークエンスを用いて、秋田脳研での臨床研究を行う予定です。
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Causes of Carryover |
◯ファントム実験の一部がまだ行われていないためです。 ◯人件費、謝金を使用せずに研究を遂行できたためです。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
◯ファントム実験の物品費として使用する計画です。 ◯秋田脳研との共同研究や学会参加のための旅費が不足すると思われ、これに充当する計画です。
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Research Products
(2 results)