2016 Fiscal Year Research-status Report
ASL脳循環代謝機能画像の開発と臨床応用展開の研究
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15K09916
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 浩彦 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10242596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 康博 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 講師 (90422675)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Arterial spin labeling / CBF / MR perfusion / 脳血流 / 脳循環代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ASL画像開発: 従来のスピンラベルの信号モデルは、単一コンパートメントで記述することが通常であるが、我々は血管内と血管外(組織内)の二つのコンパートメントを用い、血管内外の信号を区別することを目標としている。スピンラベルの信号収集の際に弱い拡散強調(VS: Vessel Suppression)の操作を加えると、血管内の信号が選択的に失われることを利用することにした。この考えに基づくシミュレーションより、VSによる信号変化からCBVの大きさを計算するには、血管内の信号を選択的にかなり強く低減させる必要があることがわかった。まず、従来の手法MSDE(Motion-sensitized Driven-equilibrium)で、血管内の信号の低減のための傾斜磁場強度の条件を強くする基礎的検討を行った。従来の利用条件であるb=5s2/mm 程度までは信号低減効果は均一であったが、それ以上の信号減弱効果を得るため、単純にMSDEの傾斜磁場強度を強くするだけでは、その信号低減効果の不均一のため、実際の臨床に利用可能な画像が得られなかった。 そこで我々は、今回DANTE(Delays Alternating with Nutation for Tailored Excitation)の手法を利用したVSを新たに開発した。比較的均一に、脳全体の灌流信号を低減することに成功した。スピンラベルの信号減弱効果もMSDEに比べ強いものであることも確認できた。2016年5月のISMRM( 24th ISMRM, 2016/05/07-13, Singapore)にて発表した。現在この手法の臨床的確立をめざして、モデル、最適パラメタなどの決定のための基礎的検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASL信号モデル確認:上記血管内信号の選択的低減効果の確認のためのファントムの作成と修正を終えている。実験結果では、上記のMSDEとDANTEの両者の手法による信号減弱効果の違いや、その条件決定、撮像条件の最適化などを行った。 現在、論文投稿の準備を進めている。 健常人での検討: スピン到達時間のマッピング手法として、臨床応用が可能な時間で利用できる手法の確認を行っている。スピン到達時間のマップを用いる方法として、Hadamard encodingを用い、時間効率の良い手法(Dai W,et.al. Magn Reson Med. 2013;69(4):1014-22.)の安定性や再現性を確認している。 臨床応用:H28年度は、主幹動脈に狭窄、閉塞を持つ慢性閉塞性脳血管障害を持つ患者にて、ASL血流画像とスピン到達時間の計測を行った。到達時間のマッピングの手法としては、低解像度のマッピング法を利用した。PET脳血流検査における、貧困灌流の有無との関連を確認した。結果は第76回日本医学放射線学会総会にて発表した。 上記のごとく、開発、モデル、臨床応用、各々の段階で成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、モデルの検証目的に、正常人を中心に最適の信号収集時間と最適のスピンラベル信号収集法を確立する。 臨床応用が可能になるように、実時間内で臨床応用可能な高品質のCBF, CBV相当画像のマッピングの条件の確立をめざす。 また、H27-28年度に作成した血流を模擬するファントムを利用し、ラベル時間、ラベル後待ち時間、DANTE手法による信号減弱効果の大きさなどの最適化を行う。これら両者の結果でモデルの妥当性の検証を行い、さらなる臨床応用につなげてゆく。最終的には脳循環代謝の領域で、完全に非侵襲的なASLの手法を用いて、核医学的手法との対比により、どこまで非侵襲的に従来の手法と同等の情報が得られるかを明らかとする。 現在、PET/MRI撮像装置での慢性閉塞性脳血管患者、もやもや病患者を対象とした臨床検証を開始する直前である。倫理委員会のプロトコルの変更の承認待ちの状態である。
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Research Products
(10 results)