2015 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍内アポトーシス発現の定量評価のための新しい分子画像解析手法の開発
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15K09924
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 昌宏 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50225306)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRI / バイオファントム / ADC / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究の目的は、三次元細胞培養を行いながら臨床用画像診断装置で撮像できるように我々が開発したバイオファントムと細胞の状態を任意に変化させる分子生物技術を併用し、目的達成型、演繹的な新しい研究手法を用いて、悪性腫瘍治療の新しい早期感受性予測法を開発することを全体構想とする。具体的な目的としては、分子標的薬剤や高精度放射線治療など新規腫瘍治療による腫瘍内アポトーシス発現の定量的評価のための新しい分子画像診断手法を開発することである。 今年度は、すでに開発したMRI拡散強調画像をベースとした1.5T MR装置用のアポトーシス定量撮像法を、臨床用高磁場3T装置用に改良した。さらに培養細胞を含むバイオファントムを用いて画像データを得た。細胞にはJurkatを用いた。すでに開発したMRI拡散強調画像をベースとした1.5T MR装置用のアポトーシス定量撮像法では、高磁場装置では、取得信号量が増加して高精度の解析が可能となった。一方、臨床用3T装置では、アーチファクトや画像のゆがみが問題となることも確認した。そこで近年開発されたRESOLVE法(High Resolution Diffusion-Weighted Imaging Using Readout-Segmented Echo-Planar Imaging, Parallel Imaging and a Two-Dimensional Navigator-Based Reacquisition)を併用した3T装置での新たな撮像法を開発した。培養細胞を含むバイオファントムは、ループコイルおよびスペシャルパーパスコイルを同時併用して、アーチファクトや画像のゆがみを改善できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、すでに開発したMRI拡散強調画像をベースとした1.5T MR装置用のアポトーシス定量撮像法を、新しい撮像法であるRESOLVE法を用いることにより、臨床用高磁場3T装置用に改良でき、今後の実験継続の見通しが得られたことから、おおむね順調に進展しているといえる。 これらの進展に関して、今後、学会での報告と論文投稿を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床に応用できるよう、日常臨床での撮像および解析方法についての検討を進める。
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Causes of Carryover |
当初、バイオファントム撮像用の高精度ループコイルの購入を計画していたが、既存のループコイルおよびスペシャルパーパスコイルを同時併用する新手法を考案し、その能力が卓越していたため、高精度ループコイルの購入を再考し、開発した新手法での研究継続を先行させることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発した新手法での研究継続を先行させる。次年度使用額は、必要に合わせて、画像解析に必要な予算に充てる予定である。
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