2017 Fiscal Year Research-status Report
乳癌画像診断におけるMRI, PET検査:至適撮像法・検査法の確立を目指して
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15K09925
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古川 又一 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80380004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 滋 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30289178)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳腺MRI / 拡散強調画像 / ダイナミック造影MRI / FDG-PET |
Outline of Annual Research Achievements |
乳腺MRIについては、拡散強調像、ダイナミックMRIに重点を置きデータの蓄積をおこなっている。拡散強調像は通常の拡散強調像に加え、歪みの少ないRESOLVE diffusionを用い患側のみ高分解能拡散強調像の撮像を行い、より詳細な内部性状評価が可能かどうかを検討している。2017年3月までに検査が行われた症例を対象に、造影後のT1強調像や手術結果との比較検討を行っている。 造影ダイナミックMRIについては、異なる時間分解能で撮像を行い(時間分解能10秒、30秒、85秒)、乳癌結節の辺縁性状や内部の造影効果について、高分解能の造影後T1強調像と比較検討を行った。辺縁性状(spiculaやirregularity)、内部造影効果の不均一性(heterogeneity)とも時間分解能10秒のものは、30秒や85秒のものと比べ有意に劣っていると思われたが、30秒、85秒の両群では辺縁性状や内部の造影効果、いずれも高分解能の造影後T1強調像と同等の評価が可能であった。潅流画像から得られるそのほかの情報(Ktrans, Veなど)や、目的(例:術前精査、術前化学療法の効果判定や予後予測等)に応じ、至適な時間分解能で検査を施行する必要があるが、時間分解能30秒のdynamic MRIで蓄積された症例データをもとに、perfusion解析の結果や良性病変の評価も含めた検討を行っている。腋窩リンパ節に関してもMRI所見と手術所見、センチネルリンパ節造影CT検査所見と比較検討を行う PET検査は乳腺MRIを行う症例全例に行えているわけではないが、MRI、PET検査両方が行われた症例については、それぞれの診断能を比較検討している。また、定量的な集積指標に関しても、集積の強さを従来のSUVmaxと除脂肪した計算式で求めるSULmaxなどいくつかのパラメータを手術所見等と比較検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乳腺MRI検査・PET検査の行われた症例の、kinetic解析を含めたデータの解析、手術所見との照らし合わせに時間を要し研究遂行が遅延している。 理由の一つとして、画像サーバーから解析用コンピュータへデータを転送して評価を行う予定であったが、コンピュータ上で解析がうまく行えない項目があり、潅流画像の解析をMRI撮像機器本体上のworkstationで行うこととした。そのため、機器の使用時間が限られ、評価が十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
時間分解能30秒で行われたdynamic MRI検査のデータ解析を手術結果や高分解能の造影後T1強調像などと比較し行っていくが、特にTissue 4Dを用いたKinetic 解析をできるだけ早く行う。拡散強調像も含め乳腺MRIによる良悪の鑑別、組織学的所見との比較や予後予測の評価を行い、学会発表や論文作成を行う。 PET/CT検査も行われた症例では、PET検査とMRI検査の比較検討も併せて行っていく。
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Causes of Carryover |
予定より結果の評価・解析が行えておらず、学会発表や論文作成できていない。 できるだけ早くデータ解析を行い、学会発表や論文作成を行う。
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