2015 Fiscal Year Research-status Report
磁化率強調像とMRSによる出血・壊死イメージング:子宮肉腫の早期診断法の開発
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15K09927
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 麻由美 徳島大学, 大学病院, 講師 (90423417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健司 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (70274222)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子宮肉腫 / MRI / 機能画像 / MRスペクトロスコピー / 磁化率強調像 / 出血 / 壊死 / lipid |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮体部腫瘤を有する臨床症例について、予備的な検討による十分な条件設定の後に、3 テスラMRI 装置を用いてMRIおよびMRS検査を施行した。MRI検査では従来の形態画像および拡散強調像による機能画像の評価に加えて、磁化率強調像による出血イメージングの検討を行った。 子宮肉腫の症例では、従来の形態画像と比較して磁化率強調像が高感度に腫瘍内出血を検出可能であった。MRS検査ではPRESS 法を用いて測定したスペクトル解析による代謝物の定量的・定性的評価を行い、特にlipidとcholineのピークの相補的評価による壊死イメージングの検討を行った。肉腫では壊死による細胞成分の減少によりcholineの低下を認め、lipidの高いピークが診断に有用と考えられた。癌肉腫による検討ではこの知見が体癌との鑑別に有用と考えられ、論文報告を行った(Takeuchi M, Matsuzaki K, et al. Carcinosarcoma of the uterus: MRI findings including diffusion-weighted imaging and MR spectroscopy. Acta Radiol. 2016. [Epub ahead of print]) また、出血イメージングと壊死イメージングの有用性を含めた子宮肉腫のMRI診断について、教育展示として学会発表を行った(Takeuchi M, Matsuzaki K, et al. Diagnostic and Therapeutic Strategy for Uterine Sarcomas by Advanced MR Techniques, Radiological Society of North America (RSNA), 101st Scientific Assembly and Annual Meeting, Chicago, 2015)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画として、臨床症例の撮像に向けた予備的検討によるパラメータの適正化(磁化率強調シーケンスおよび位相画像の条件調整、MRSのスペクトル収集と定量解析)については予定通りに終了し、順調に臨床症例での検討の開始とデータの収集が進んでいる現状である。手術症例では、出血イメージングとして磁化率強調シーケンスおよび位相画像において検出された腫瘍内出血の有無について検証し、壊死イメージングとしてlipidとcholineのピークと定量解析値について組織学的悪性度および壊死の存在について対比検討を行った。上述したように、比較的症例数が集まった癌肉腫については論文報告(Acta Radiol. 2016)を行ったが、平滑筋肉腫、内膜間質肉腫等のまれな肉腫については、引き続き症例の蓄積が必要と考えられる。 今回の検討結果の一部(子宮肉腫における磁化率強調シーケンスを用いた腫瘍内出血の検討)を含んだ内容については、第75回日本医学放射線学会総会(2016年4月, 横浜)にて発表(竹内麻由美、松崎健司他, 女性骨盤部領域における磁化率強調像の臨床応用)を行い、教育展示優秀賞を受賞した。また、国際磁気共鳴医学会大会(2016年5月, シンガポール)にて発表予定(Takeuchi M, Matsuzaki K, et al. Clinical application of susceptibility-weighted MR sequences in the female pelvis)である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の少ない肉腫の組織亜型については引き続き症例の蓄積を行う。一定の症例数に達した時点で、磁化率強調像による出血イメージングおよびMRSによる壊死イメージングの子宮肉腫における診断能について統計的解析による検討を行う。また、従来の形態画像および機能画像との比較検討と、出血・壊死イメージングを追加したマルチ・パラメトリックな解析による診断能についても統計的解析による検証を行う。
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Causes of Carryover |
研究分担者の旅費の繰り越し(残金不足のため)、予定していた消耗品(ソフトウェアなど)購入の次年度への繰り越しなど
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度での研究分担者の旅費、消耗品(ソフトウェアなど)の購入などを予定
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Research Products
(5 results)