2015 Fiscal Year Research-status Report
小児CT診断の検査理由分析による白血病・脳腫瘍罹患率の放射線リスクの逆因果分析
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15K09934
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10611171)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CT検査 / 小児白血病 / 医療被ばく / がんリスク |
Outline of Annual Research Achievements |
複数回CT検査を受けている小児の検査理由を調査し、CT検査の理由の分析とその関連性について調査を行った。対象施設は、A病院(病床数518床)、B病院(病床数1,114床)の協力を得た。検査理由の調査は、放射線検査所見システムの検査依頼情報から、3回以上のCT検査に関連性があるか調査した。調査期間は、A病院が、2002年4月1日から2014年12月31日まで、B病院が、2012年6月1日から2012年12月31日までのデータを取得した。 6ヶ月間における2病院間の検査理由を比較した結果、A病院166件のうち関連なし0件、B病院119件のうち関連なし1件であった。6ヶ月間における2病院の比較において、放射線検査所見システムの検査依頼情報の依頼内容から検査を受けている理由を分析した結果、内因性及び外因性を理由とする検査を契機として、継続的な診療によりCT検査を受けていることがわかった。検査理由と年齢については関連性がなかった。 A病院の12年9ヶ月におけるデータについては、初回時検査年齢、CT検査回数ごとの検査間隔、ガンマ分布による検査間隔の推定を行った。検査間隔においては、検査回数が多くなると検査間隔は短い傾向であった。検査回数が3回においては、最短検査期間は同日、最長検査期間の中央値は4年であった。今回の研究結果から、複数回のCT検査には関連した理由に基づき行われていることが示され、CT検査の回数を独立に扱うことができないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約10年間の検査依頼情報を分析するのは、個々の情報を判断して分類する必要がある。そのため、予想以上に分析負荷が大きく、今後、他の病院のデータに拡大していくためには分析方法をアルゴリズム化できるかを検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、脳腫瘍や白血病など放射線と因果関係があるとされている疾患を持った小児のケースコントロールスタディーや、逆に検査理由となっている疾患とCT検査回数との関係を分析するなど、疾患別の分析をさらに進める必要がある。
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Causes of Carryover |
国際会議に成果を報告するために、28年5月に開催される国際会議の旅費および参加費を必要とするために、計画的に次年度に使用を回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度5月南アフリカで開催される国際放射線防護学会第14回国際会議に発表する旅費と参加費に利用する。
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