2016 Fiscal Year Research-status Report
小児CT診断の検査理由分析による白血病・脳腫瘍罹患率の放射線リスクの逆因果分析
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15K09934
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 孝二 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10611171)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CT検査 / 小児白血病 / 医療被ばく / がんリスク |
Outline of Annual Research Achievements |
複数回CT検査を受けている小児の検査理由結果を分析した。対象年齢は初回時CT検査年齢が15歳以下とした。12年9ヶ月の検査統計から、3回以上CT検査0歳から1歳未満が33.6%と最も高い結果を示した。偶発的な外傷を除いても傾向は変わらなかった。小児の検査理由となっている疾患の内訳は上位から、外傷(28.2%)、後腹膜神経芽細胞腫(4.2%)、虫垂炎(2.9%)、水頭症(2.1%)、急性リンパ性白血病(1.4%)、くも膜嚢胞(1.4%)であった。CT検査を3回以上受けている小児において、検査を受けた理由を、外傷、腫瘍、炎症、その他に分類した場合、それぞれの割合は29%、25%、10%、36%であった。検査理由と年齢の関連性について外傷は0-2歳が最も多く、年齢が上がると少なくなっている。腫瘍、炎症については年齢差は認められなかった。外傷は、多くても15回程度で検査間隔も広範囲にわたっていた。検査回数の多いのは腫瘍であった。腫瘍は検査間隔は一定の範囲内であり、検査理由によって傾向が異なった。これらの複数回CT検査を受けている小児の検査理由結果は最新の英国の報告ともほぼ一致することが確認された。検査回数によって検査間隔が長くなる傾向が認められた。検査回数が多い集団は比較的長期間にわたって検査を受けていることを示しており、検査回数とCTリスクの関係を考える上で考慮すべき点であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約10年間の検査依頼情報の分析が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、検査理由と小児がんリスクとの関連を疾患別に分析を進め、検査理由から逆因果の可能性があるかを考察する。
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Causes of Carryover |
データ分析を行うプログラム作成費を今年度行わなかったため、残額が生じた。手作業での分類作業となったため、この結果を検証するために、検査理由分析を行うためのアルゴリズム化をするために費用を残し、最終年度に計画する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検査理由分析を行うためのアルゴリズム化を行い、それをプログラム化して検査理由の分析を行う。専門家による判断に変えて客観的な分析となるように変更するための費用に充てる。
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