2016 Fiscal Year Research-status Report
マルチパラメトリックMRIを用いた前立腺癌の腫瘍悪性度の非侵襲的評価法の確立
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15K09940
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
玉田 勉 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40278932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 克能 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00274168)
鹿股 直樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (60263373)
曽根 照喜 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90179383)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 悪性度 / 磁気共鳴画像 / マルチパラメトリックMRI / 拡散強調画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌の腫瘍検出、悪性度の評価におけるマルチパラメトリックMRIの一つである拡散強調像(DWI)の有用性に関して、3T装置を用いて撮像した従来から臨床応用されているDWIから得られたみかけの拡散係数(ADC)とnon-Gaussian modelであるdiffusion kurtosis imaging (DKI)から算出したkを比較した。その結果、良性と悪性、GS3+3以下の腫瘍とGS3+4以上の腫瘍およびGS3+4以下の腫瘍とGS4+3以上の腫瘍の間で、ADCは後者より前者で有意に低く、kは有意に高かった(P<0.001)。ADCとkは強い相関関係を示した(γ=-0.82; P<0.001)。ROC解析から得られたAUCは、良悪の鑑別においてADC(0.921)よりもk(0.902)で有意な高値を示した(P=0.002)が、GS3+3以下の腫瘍 vs. GS3+4以上の腫瘍(0.715-0.744)およびGS3+4以下の腫瘍 vs. GS4+3以上の腫瘍(0.694-0.720)では同等であった(P>0.15)。まとめとしてADCとkは高い相関関係および同様の診断能を示した。したがってこれらの2つの測定基準は類似の情報を提供するため、DKIが臨床的な前立腺癌の評価に対して標準的なDWI(ADC)と比較して付加価値を持つかは疑問であり、従来より臨床応用されているADCの有用性が示唆された。我々は、この研究成果を米国のフロリダで平成29年3月に開催されたSociety of Abdominal Radiology(SAR)2017で発表し、多くの研究者からの支持を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.5T装置を用いた後ろ向き研究は、画像・病理解析およびデータ解析が終了した。 3T装置による横断研究は、まず拡散強調像のモデルによる比較検討、解析および論文執筆が終了している。さらにデータ収集が終了した灌流画像の画像解析を今後行い、悪性度との相関性を検討する予定にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は灌流画像の画像解析を行い、予定通り前立腺癌の悪性度の評価におけるマルチパラメトリックMRIの総合的な評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
画像解析において最新式のパーソナルコンピューターと画像解析ソフトを必要とする前立腺マルチパラメトリックMRIの中の灌流画像のデータ収集が平成29年3月末まで時間を要し、今後その画像解析のためのパーソナルコンピューターを購入し画像およびデータ解析を行う必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
画像解析用のパーソナルコンピューターおよびその記憶媒体の購入、造影パラメータ解析用ソフトの購入、研究成果の国際学会での発表および英文論文の作成時の英文添削の利用
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Research Products
(1 results)