2017 Fiscal Year Research-status Report
ASL法による脳循環評価:到達時間マップとASLアーチファクトの応用
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15K09942
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Research Institution | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
Principal Investigator |
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (40360359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和浩 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), 放射線医学研究部, 主任研究員 (10312638)
梅津 篤司 東北大学, 大学病院, 助教 (40370259)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ASL / CBF / PET / 脳循環 / 到達時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,PETとの比較を通して,非造影MRIの一手法である動脈血スピンラベリング法(Arterial Spin Labeling; ASL)の脳循環評価手法としての可能性・臨床的有用性を明らかにすることを目的とするものである。前回報告から現時点までの進捗状況を以下に記した。
前年度に引き続き臨床測定データ(PETおよびMRI ASL)の取得を行い,解析を進めた。症例選択基準を設定し,片側性脳主幹動脈狭窄閉塞17症例を対象に解析を行った。MRI ASL測定パラメータは,前年度までの検討により最適化された条件を用いている。ASL測定においては,single-PLD pCASLおよびmulti-TIs PASLの2回のスキャンを行い,それぞれCBFおよびATTマップを計算する。PET測定では15O投与後の短時間スキャンプロトコルにより,CBF(安静時),CBF(co2負荷時),CBV,OEF,CMRO2マップを取得する。各マップは解剖学的標準化を行った後,両側大脳皮質領域に関心領域を設定し,計測を行った。関心領域内平均値に加え,pCASLによるCBFマップに対しては画像変動も求めた(Spatial CoV [sCoV])。相関解析によると,pCASL sCoVは独立に測定されたATTと正の相関を示し,single-PLD pCASL測定のみからも循環遅延情報が取得可能であることが示された。さらに,sCoVはATTと同程度に,各PETパラメータと有意な相関があることが示され,脳循環評価有用性を示すものと考える。以上の研究内容をまとめ,学会発表を行うとともに論文作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間内に提案された新手法を検討したため想定より遅れた研究進行となり,論文受理が研究期間内に間に合わない状況となった。そのため期間延長申請を行い承認され,論文受理までの見通しが立った(本報告作成中の,2018年5月に論文が受理された)。
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Strategy for Future Research Activity |
今回のPETとの比較研究により,ASLにおけるSpatial CoV法による脳循環評価可能性が示されたと考える。本年度はこれまでの研究成果を論文化するとともに(本報告作成中の,2018年5月に論文が受理された),PET測定が困難な臨床状況での本手法の応用を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画では,ASL画像アーチファクトの視覚評価により脳血管障害における循環異常を評価することを考えていたが,研究期間内に提案された画像変動を数値解析する手法の方がより安定的な結果を出すことがわかってきた。よって,新手法による解析を現在継続中であり論文投稿作業が想定より遅れて進行した。未使用額を,これに伴う解析,学会発表,論文発表にかかる経費に充てることとしたい。
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Research Products
(3 results)