2016 Fiscal Year Research-status Report
放射線抵抗性表在癌に対する半導体レーザーによる温熱装置の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
15K09951
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久保田 誠司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30528766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 善之 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (90232488)
松本 高明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70508944)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 表在癌 / 放射線治療 / 温熱療法 / 半導体レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は超高齢社会を迎える日本において増加が予想される皮膚がん、悪性黒色腫などの放射線抵抗性の難治表在癌を対象とした半導体レーザーによる新しい温熱療法の開発とその確立を目的としている。はじめに取り組んでいる子宮頸癌用の半導体レーザーによる温熱機器は接触型アプリケータである臨床評価機器3号機が完成し、既に臨床試験が開始された。これまで臨床応用された症例での結果からは、安定した加温の継続が可能であることがわかっており、これまでのところ有害事象は認めていない。根治的放射線治療後の再発などで、これ以上の放射線治療が難しい症例に対する救済治療あるいは根治的放射線治療と併用することによる治療効果の向上などが期待される。これらの結果をふまえると接触型アプリケータについては開発3号機で皮膚腫瘍に対しても使用できると判断している。しかし現在臨床試験に用いられている開発3号機の有効加温範囲は16mm四方であり、もっと広い分布を示すことが多いと考えられる皮膚病変に対しては加温範囲を拡大させることを検討している。これには今のところロッドレンズの長さを長くすることで対応可能と考えている。 もう一方の非接触型アプリケータについては、開発業者と検討中である。以下の点が問題点として想定されている。1. 照射部位に凹凸があることが予想され、子宮頸癌用の均質なレーザー光照射だけでは温度上昇にばらつきが生じる。2. 照射面全体をサーモグラフィで計測しつつ、加温範囲内の最高温度と最低温度からレーザーを制御する必要がある。3. 照射範囲を細分化することでエリアごとのレーザー照射のパワー密度をコントロールする必要がある。上記3. が可能になれば照射範囲の可変は可能であり、現時点では最小範囲を3-4cm程度、最大範囲は10cm程度としたアプリケータを設計中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非接触型アプリケータの作成には入っているが、臨床開発機器はまだ完成しておらず、基本性能評価試験に入れていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、接触型アプリケータから非接触型アプリケータへ機器開発が移行した段階である。加温範囲の可変が可能なもので、なおかつ照射部位の安定した温度管理が可能な機器を開発中である。
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Causes of Carryover |
先行開発している子宮頸癌用接触型アプリケータの臨床試験を終了し、これらの経験を踏まえて皮膚病変に対する非接触型半導体レーザー温熱機器の開発へ移行している。機器の開発がまだ十分でないため、基本性能評価試験にまだ入ることができない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、開発業者と機器開発を継続中であり、臨床開発機器の完成後に基本性能評価試験に入る予定である。
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