2015 Fiscal Year Research-status Report
幼若期におけるてんかんモデル動物のイメージングに関する検討
Project/Area Number |
15K09956
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細井 理恵 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30291446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | てんかん / 窒素13標識アンモニア / グリア細胞 / アルファメチルトリプトファン |
Outline of Annual Research Achievements |
側頭葉てんかんモデルラット脳におけるグリア細胞の基質代謝を検討した。窒素13標識アンモニアの取込みを用いてグリア細胞のTCAサイクル以降のコンパートメントの代謝活性を測定した。測定はオートラジオグラフィー法と組織摘出法を用いた。窒素13標識アンモニアはグリア細胞のみに存在するグルタミン酸合成酵素活性の指標として用いることのできるトレーサーである。 成熟ラットと幼若ラットではどちらも脳への一定量の窒素13標識アンモニアの蓄積を認め、さらに成熟ラットの方が取込みが有意に高いことが明らかとなった。またてんかん発作時には成熟ラット、幼若ラット共に窒素13標識アンモニアの取込みが顕著に高くなることを明らかにした。これまでの検討においててんかん動物におけるグリア細胞のTCAサイクルの活性化は成熟ラットのみで観察され、幼若動物では観察されないことを明らかにしており、本研究結果より幼若動物ではてんかん発作時にグリア細胞のグルタミン酸―グルタミンサイクルの活性のみが増加することが明らかとなった。 また臨床においててんかん焦点の検出に利用されている炭素11標識アルファメチルトリプトファン(以下AMT)の集積機序を解明することを目的とし脳疾患モデル動物における炭素14標識AMTの取込みについて検討した。側頭葉てんかんモデル、グリア細胞代謝抑制時、グルタミン酸作動薬負荷時(細胞障害前後)において14C-AMTの取込みは有意な変化を認めなかった。一方で手術に伴う機械的外傷領域において取込みの増加を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリア細胞の基質代謝のコンパートメント化について従来のヘキソキナーゼによる細胞質内での代謝、TCAサイクル内での代謝に加え、TCAサイクル以降のグルタミン酸-グルタミンサイクルの活性の測定に成功した。さらに幼若動物ではてんかん発作時にTCAサイクルの活性化は観察されないのに対し、グルタミン酸-グルタミンサイクルの活性は増加することを明らかにすることができた。 アルファメチルトリプトファンとてんかん発作および脳障害については明確なデータが得られなかった。 幼若動物を中心としたケトン体とエネルギー代謝の変遷に関する予備実験を進めており、平成28年度以降は幼若期のてんかん発作とケトン体の関係を明らかにするための研究を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
幼若動物におけるケトン体などグルコースの代替基質の役割とてんかんとの関連についての検討を進める予定である。また脳障害とアルファメチルトリプトファンとの関連について、作用機序の差異、急性期および慢性期のてんかん症状に対する影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
従来の検討で使用していたてんかんモデルであるリチウムピロカルピン側頭葉てんかんモデルでは炭素14標識アルファメチルトリプトファンの取込みに有意な変化を認めなかったため、新たなてんかんモデルの検索・開発に時間を要し、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画には変更はなく、予定通り研究を実施する。平成27年度に生じた次年度使用額については実験動物や研究用試薬の購入にあてるものとする。
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