2018 Fiscal Year Annual Research Report
Epileptic brain imaging in young and adult animal model.
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15K09956
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細井 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30291446)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | てんかん / 生体脳 / イメージング / 脳循環代謝 / 受容体結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は薬剤誘発性キンドリングマウスにおける放射性プローブの集積に関する検討を実施した。ペンチレンテトラゾール(PTZ)キンドリングモデルは低用量のPTZを繰り返し投与し、けいれん閾値以下の微弱な刺激を反復させ、全般けいれんを誘発するモデルである。本モデルによりけいれん発作が誘発された後にケトン体をPTZ投与前に処置することで、PTZによるけいれん発作の誘発は抑制された。この時、脳への炭素14標識デオキシグルコースの取り込みはPTZによりけいれん発作が誘発されたマウスでは有意な低下を示したが、ケトン体処置により回復し、14C標識デオキシグルコースの取り込みが誘発されたキンドリング形成の指標となることが明らかとなった。ケトン体単独処置では脳への14C標識デオキシグルコースの取り込みは有意な変化を認めなかったが、心筋および骨格筋における取り込みは低下を示した。またケトン体を処置したマウスはPTZ休薬1か月後のマウスに再びPTZを投与し、けいれん発作を誘発させたところ、半数のマウスではけいれん発作が生じなかった。 体内の代謝を嫌気性解糖から好気的代謝へ変換させるためにジクロロ酢酸ナトリウムをマウスに投与した場合は成熟動物および幼若動物ともにPTZ誘発のけいれん発作の誘発に変化は認めなかった。 またPTZによりけいれん発作が誘発されたマウスではベンゾジアゼピン受容体に選択的に結合する3H標識フルマゼニールの結合は増加し、ムスカリン受容体に選択的に結合する3H標識QNBの結合は低下していた。PTZによるてんかん原性の獲得は長期記憶に対する影響が報告されており、これら生体脳における受容体結合の変化はてんかん患者の認知機能や精神機能に関連する情報を得られる可能性を示した。
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