2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism analysis and strategy establishment of deep vein thrombosis by local protein overexpression
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15K09963
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
古小路 英二 宮崎大学, 医学部, 講師 (00423723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90372797)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血栓 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血管内カテーテルを用いた遺伝子導入による局所治療を想定し、培養細胞を用いた実験とともにラット生体内にて臨床に近い性状の静脈血栓を形成した後、血栓溶解および蛋白過剰発現による局所での静脈血栓抑制効果の評価を目的としている。2018年度はこれまでの実験に引き続き、培養血管壁細胞を用いた遺伝子導入による蛋白発現評価、血栓関連因子への影響、血小板凝集抑制効果等の評価を行った。また、生体内実験としてラット下大静脈を用いた静脈血栓モデルの作成、評価および血栓溶解、蛋白過剰発現による局所での静脈血栓抑制効果の評価を行った。 <結果概要> 1)培養細胞実験:目的蛋白の遺伝子組換えアデノウイルスを用いた遺伝子導入により蛋白の過剰発現効果を培養細胞にて評価した。培養細胞にはヒト大動脈血管内皮細胞およびヒト臍帯静脈内皮細胞を使用した。これらの細胞に対し遺伝子導入を行い、目的蛋白の発現亢進、活性増強を確認した。また、遺伝子導入に加え、低酸素など種々の培養条件による検討も行った。結果として、培養条件における蛋白発現の変化および血小板凝集反応への影響を確認した。血管内皮細胞は継代によるものと思われる影響がみられ、この検討も行った。 2)動物実験:SDラット(♂、生後10週)の下大静脈を露出・結紮し、静脈血栓モデルを作成した。一部には組換えアデノウイルスを用いて遺伝子導入を行った。遺伝子導入は30分間のクランプにて行った。一定期間飼育後に採取した血管の評価を行い、遺伝子導入や血栓溶解剤の影響の他、結紮の部位や程度、時間等に関して血栓の程度、性状に有意差が認められた。また、静脈壁での検討に加え、遺伝子導入効率の高い動脈壁での検討も行い、静脈血栓とは異なる動脈血栓形成への影響も評価した。
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