2016 Fiscal Year Research-status Report
半導体SPECT装置を用いた冠血流予備能測定:アンモニアPETとの比較研究
Project/Area Number |
15K09972
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
汲田 伸一郎 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70234523)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心筋血流PET |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画通りに心臓専用半導体SPECT装置(GE社製 Discovery 503c)を用い99mTc-TF負荷心筋血流SPECT検査を施行した症例に対し、安静時および負荷時の局所心筋血流量(ml/min/g)の算出を行っており、安静時および負荷時の血流量比からMFR(SPECT)の算出にも至っている。負荷心筋SPECTでは心筋虚血の評価が困難な症例に対しては、日を改めて、当院PETセンターにて13N-アンモニア心筋血流PET検査を施行、安静時・負荷時の局所心筋血流量(ml/min/g)およびMFR(PET)を算出している。 心筋SPECTで用いる心筋血流製剤の心筋抽出率(Extraction fraction)は、60~65%であり、心筋PET製剤のそれ(85~90%)に比し低値である。そのため、研究開始前から予想していたごとく、負荷SPECT検査にて算出されたMFRは、負荷PET検査にて算出されたそれに比し有意な定値を示すことが明らかになった。また、上記Extraction fractionの相違により、捉えられた心筋虚血の容量にも有意な差異(SPECT<PET)を示すことが明らかになった。また虚血心として、小児例(川崎病症例)にも負荷心筋SPECT/PETを施行している。成人例と同様にExtraction fractionに富む心筋血流PET検査にて、より広い虚血範囲が捉えられ、またより多い虚血枝が同定された。また小児に関しては、心臓自体が小さいため、SPECT像では心尖部内腔がつぶれ、同部の評価が困難になるのに対し、空間分解能に富むPET象では、心尖部評価に勝るという認識が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討により、半導体カメラを用いた負荷心筋血流SPECT検査にて、安定した局所心筋血流料およびMFRを算出することが可能となった。 また研究前の予想通り、負荷心筋SPECTと負荷心筋PET検査における算出値の差異を捉えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も虚血性心疾患症例の負荷心筋SPECT/PET症例数をさらに増加させる。また局所心筋血流定量における左室の分画は、従来法の通り左室を17セグメントに分けて評価を行ってきたが、これまでの検討において必ずしも冠動脈領域に一致しないことが判明した。つまり冠動脈造影検査にて算出されたFFRとの比較において、領域的な差異がしょうじてしまう。そのため、新たな左室分画のため、CT冠動脈象とSPECT/PET像とのFusion imageを作成し、それを基にした左室分画を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
負荷心筋血流PET検査における負荷薬剤であるアデノシンを物品費として計上している。請求に関しては、1剤ごとではなく、2~3ヶ月単位でまとめて行っているため、使用額との差異が生じているものです。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度が最終年度であるため、物品購入に関して、計画的に使用するつもりです。
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Research Products
(4 results)