2015 Fiscal Year Research-status Report
実測線量データに基づくIVR被曝管理技術の開発と多職種連携治療支援体制の構築
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15K09975
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
松丸 祐司 公益財団法人冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (70323300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛田 伸吾 産業医科大学, 医学部, 講師 (30352313)
盛武 敬 産業医科大学, 付置研究所, 准教授 (50450432)
錦戸 文彦 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (60367117)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | radiation / interventional radiology |
Outline of Annual Research Achievements |
虎の門病院におけるRADIRECによる被ばく測定とRADIRECサーバーによるデータ管理を継続している。また現状では担当医が外来で患者に対し被ばくの結果を説明しているが、IVR専属放射線サポートチームを作り、今後のfollow-upに対応する予定である。 放医研にてReal time RADIREC用X線検出器の開発を行った。検出器はシンチレータ、光センサともに有機材料を用いており、X線に対して非常に透過性が高いものとなっている。動物用X線撮像装置を用いてX線に対する応答やステルス性の評価を行い、リアルタイム体表面被ばく線量計として十分な性能が得られることが示された。 産業医科大学では盛武らによってRADIRECによって測定された頭部ならびに胸部の被ばく線量分布図を、Webシステムを用いることで、だれでも簡単にカルテに記録を残すことができるシステムを構築した。ここでは、ガラス線量計読み取り装置から出力されるcsvファイルを、指定された画面上部位にdrag and dropするだけで、線量分布を描画することができる。平成27年度は、施設毎に異なっているガラス線量計読み取り値を入射皮膚線量へ換算する係数(四則混合の数式)を、各病院の自由裁量で与えることができる機能を内蔵させることができた。また、出力はpdf形式とDICOM形式の両方に対応しているため、必要に応じて印刷して紙カルテに綴じ込むことや、PACSサーバーに投入することができるようになっている。これらの機能が一般化することで、IVR被ばくが採血やレントゲンと同程度に広く周知することができる基盤を完成することができた。このRADIRECシステム(帽子装具、データ解析・保管webシステム)については、平成28年4月の医学放射線学会/放射線技術学会/医学物理学会合同学会(パシフィコ横浜)でのシンポジュウムとして発表した。また、(株)千代田テクノルの製品として医療画像機器展(ITEM)で展示・公表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(区分)概ね順調に進展している (理由)Real time RADIREC(リアルタイム体表面被ばく線量計)に関しては、放医研錦戸らによって、有機シンチレーターを用いたステルス性の高い線量計システムの基本構成が出来つつあること、またDICOMサーバーを利用したIVR患者被ばく線量管理システムの開発に関しては、産業医大盛武らによってRADIRECシステムとして(株)千代田テクノルからの市販化の開始となったことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
Real time RADIRECに関しては有機シンチレーターをRADIREC頭部装具に装着して実際の臨床での使用を目指している。また、DICOMサーバーへの連携をよりスムースにしたwebシステムの改良を施し、平成28年度以降はDICOM RDSRを用いた体表面入射線量概算システムを搭載することで、IVR施術後からの切れ目のない線量報告システムを完成させ、医師・看護師・放射線技師らで作る放射線安全チーム(RST)との有機的な連携を実現し、患者の被ばく後のフォロー体制を充実させたい。なお、産業医大掛田らは、新規に腹部RADIREC(肝臓IVRなどの線量分布を測定する装具)をゴールドウインテクニカルセンター(株)と共同開発を進める予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表を次年度に変更し、コンピューターおよび消耗品の購入が予定より遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表に関する旅費および消耗品の購入に使用予定。
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Research Products
(7 results)