2017 Fiscal Year Annual Research Report
Safety and Effectiveness of Induction Chemotherapy Followed by Brachytherapy for Thick Oral Cancer
Project/Area Number |
15K09990
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉村 亮一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (40302864)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線腫瘍学 / 口腔癌 / 小線源治療 / 導入化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は口腔扁平上皮癌患者に対して、治療後の生活の質を高く維持できる小線源治療の適応拡大のために、小線源治療には不向きで予後不良因子として考えられてる、腫瘍厚が8㎜を越える舌癌でイリジウム-192を用いる予定の患者、あるいは5mmを越える口腔癌で金-198を用いる予定の患者を対象に、ティーエスワンの2週間服用1週間休薬を1サイクルとした化学療法を1~2サイクル施行した後にそれぞれの線源を用いた小線源治療を施行し、その集学的治療の安全性と有効性を評価した。 平成27~29年度に16例が本研究に登録された。 安全性についてはTS-1開始に伴いGrade2の発疹、倦怠感、Grade1の腎障害、倦怠感が各1例に認められ投与を中断したが、その後、症状は軽快し、小線源治療は問題なく施行可能であった。また、小線源治療に伴う有害事象については、小線源治療単独で施行する従来の方法と比較して有意な増強を認めなかった。 治療効果については1年局所制御率78%と過去のデータと比較し改善を認めず、TS-1投与サイクル数での比較においても有意な差を認めなかった。しかし、1 cycleに満たなかった4症例は1年以内に全例で頸部リンパ節転移を認めたのに対し、1 cycle施行8症例内では1年後に25%のみ、2 cycle施行の4症例では1年後に全例でリンパ節転移を認めず、TS-1投与サイクル数が後発頸部リンパ節転移発生率に有意な影響を与えることが分かった。 登録状況が遅延したため経過観察期間が今だ十分でなく、今後も引き続き経過観察を行い、治療後2年間の成績を求める予定である。
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