2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of molecular target radiation therapy based on suppression of EGFR pathway for colorectal cancer
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15K10002
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
原 孝光 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (70464542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 浩 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20360357)
隈元 謙介 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60457778)
中神 佳宏 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (80347301)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EGFR / セツキシマブ / 大腸がん / 放射線増感効果 / DNA2重鎖切断 / 亜致死損傷回復 / 潜在的致死損傷回復 / 化学放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は前年度までに使用した8種類の大腸がん細胞株のうち3種類でcetuximabが放射線感受性を示すことを見出した。そこを踏まえて最終年度は、cetuximanによる放射線増感効果のメカニズムを解明することを目的として研究を進めた。放射線増感効果を示した3種類の細胞株と放射線増感効果を示さなかった6種類の細胞株についてEGFRの発現量及びEGFRのシグナル伝達関連の遺伝子変異を比較した結果、そこには放射線感受性との相関は見出せなかった。そこで、別の観点から放射線増感効果の原因を考えた。放射線増感効果を示した細胞株において、増感効果が表れたのは、すべてpost treatであるという共通点に着目した。増感効果を示したのがpost treatのみである事より、放射線照射後のcetuximabの存在が、放射線によって作られたDNA損傷の修復を阻害している、つまり放射線障害からの回復を阻害している可能性を我々は強く疑った。そこで放射線によって生じたDNA2重鎖切断(DSB)の数の継時的変化に及ぼすcetsuximabの影響を調べた。放射線照射単独では照射直後にDSBの数が多数存在したが、その数は継時的に減少し、24時間後にはコントロールとほぼ同程度にまで減少した。一方、cetuximabを併用するとDSB数の減少が抑制され、24時間後では、放射線照射単独と比較して約20%程度多くなっていた。よって、cetuximabがDNA2重鎖切断の修復阻害していることを示唆する結果が得られた。次にDNA2重鎖切断の修復阻害の結果、細胞の放射線障害からの回復阻害が、実際に起こっているのか調べた。細胞の放射線障害からの回復には亜致死損傷回復(SLDR)と潜在的致死損傷回復(PLDR)の2種類がある。我々は、SLDR、PLDRともにcetuximabによって阻害されることを示唆するデータを得た。
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Research Products
(11 results)