2016 Fiscal Year Research-status Report
ポリマーゲル線量計を用いた放射線治療における金属の影響解析
Project/Area Number |
15K10010
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
冨士原 将之 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90388827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上紺屋 憲彦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00185985)
高田 康弘 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20461048)
土井 啓至 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50529047)
丹羽 康江 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60648294) [Withdrawn]
廣田 省三 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20181216)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 線量測定 / 体内金属 / 3次元ゲル線量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高精度放射線治療における体内金属の影響を、ポリマーゲル線量計を用い検証し、金属が存在する条件下での放射線治療の安全性を確認することを目的とした研究である。 平成27年度に線量計に用いるゲルをPAGATに決定し、線量計として使用するための基礎実験を行った。平成28年度には、前年の結果に基づき、アクリルボックス内に金属を埋設したPAGATに対し実際に照射し線量測定を実施。実験計画に沿ってCT画像を用いた解析を行ったが、CT画像特有のノイズと低感度のため、CTによる評価が本研究における線量評価には適していないと判断し、線量評価にMRIを使用すること変更した。MRIのT2強調画像より得られるR2値と線量の相関を確認する基礎実験を実施し、線量測定が可能であることを確認した。続いて、実際の金属埋設ゲルを用い、線量分布の評価および3次元治療計画との比較を行った。ステンレス製の髄内釘が存在する条件下で、ボックス4門照射で照射した場合に金属近傍に、3次元治療計画では反映されない線量増加が見られた。また、髄内釘を通過するビーム線束の領域においては、治療計画と実測線量には大きな差はなく、汎用の治療計画装置に搭載されたMonte Carloシミュレーションによる線量評価は概ね正確であることが確認できた。 現在、さらに複雑に配置された金属が存在する条件下、たとえば脊椎内固定用の金属ロッドおよびスクリューや歯科治療によって埋め込まれた多数の金属が存在する条件下、また、IMRTのような複雑な照射方法の条件下での線量評価を行い、金属による線量分布への影響を解析しており、学会等で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、使用するポリマーゲルはPAGATタイプを採用し、研究の過程で自作している。線量評価をおこなった際に感度が不均一であった。その理由としてゲルを自作していることが原因と考えられ、その対策が必要であった。また、ポリマーゲルは酸素の影響で反応が低下する。ゲルに金属の埋設状態によってはゲルが空気中の酸素の影響を受けることになる。本研究においては、金属の埋設する際には、金属自体をラッピングしているがその状況によって、金属周囲のゲルの反応が不均一になることがあり、一連の実験行程の最後に線量評価できない事態が発生することがあった。そのため、研究全体としてはやや遅れが生じている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
金属埋設の方法について、これまでに様々な方法を検討し、金属埋設部の空気がゲルの反応に影響しないようにするための対策を講じてきた。また、対策方法を用いることによりすでに研究自体を再開できており、今後予定している研究を継続し、データ解析および結果の発表を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究の遅延に伴い、ゲルの材料となる薬品類の購入が少なくなったこと、金属の追加購入を見送ったこと、当該年度に購入予定であった解析用ソフトの購入を次年度に持ち越したこと、国際学会での発表を見送ったため旅費を使用しなかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れている研究を順調に進めることができれば、ゲルの材料となる薬品類の使用量が必然的に増加し、新たな金属購入が必要となる。また、データ解析ソフトは、次年度に使用することになる。次年度使用額をこれらの購入ため使用する予定である。
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[Presentation] Fundamental examination for the dosimetry using PAGAT gel phantom within implanted metal ポリマーゲルを用いた線量測定の基礎実験(第1報)‐金属による影響の解析に向けて‐2016
Author(s)
Masayuki Fujiwara, Norihiko Kamikonya, Hitomi Suzuki, Kengo Kosaka, Kazuo Tarutani, Yasuhiro Takada, Hiroshi Doi, Masao Tanooka, Toshihisa Ishida, Tsukasa Wakayama, Shozo Hirota
Organizer
日本放射線腫瘍学会第29回学術大会
Place of Presentation
京都国際会館 京都府京都市
Year and Date
2016-11-25 – 2016-11-27
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