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2015 Fiscal Year Research-status Report

ヒト化マウスを用いた同種/異種抗体関連型拒絶反応の新規制御法の確立

Research Project

Project/Area Number 15K10025
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

田原 裕之  広島大学, 大学病院, 病院助教 (30423354)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords異種移植 / HLA抗体 / ヒト化マウス
Outline of Annual Research Achievements

本研究は従来解析困難であった同種ないし異種移植におけるヒト細胞の抗体性拒絶反応メカニズムをヒト化マウスモデルにより解明し、その制御法の確立を目的としている。
1)ヒト化マウスモデルにおける抗ドナーHLA抗体の定量化と抗体産生細胞の同定:まず同種HLA抗体産生モデルを確立した。重度免疫不全マウス(NSG)にヒト臍帯血由来CD34陽性幹細胞を静脈内投与ないし脾臓内投与し、ヒト免疫担当細胞の再構築を確認した。このヒト化マウスにHLA型の異なる健常人アロ末梢血リンパ球を免疫したところ、全例ヒトIgG抗体を産生するマウスが得られた。さらにこのヒト化マウスの血清をLuminex法によりHLA抗体の定量化を行ったところ、高率に(90%以上)HLA抗体産生マウスが確立できた。さらに健常人responderヒト末梢血と、HLA型の異なる(アロ)放射線照射stimulatorヒトPBMCを3日間in vitro共培養し、naive NSGに静注ないし脾臓内注射したところ抗ドナー特異的HLA抗体(DSA)の検出が可能となった。現在このマウス中の抗体産生細胞の同定を行っている。
2)異種抗体産生ヒト化マウスを用いた異種膵島移植モデルの確立:現在までに、異種抗原Gal/NeuGcダブル欠損マウス(2009年作製)とNOD/SCIDマウスを交配させた、異種Gal及びNeuGc抗体を持つヒト化マウス(異種抗体産生ヒト化マウス)を継代中であるが、作製過程でGal/NeuGcホモダブルノックアウト免疫不全マウスはGal/NeuGcヘテロノックアウト免疫不全マウスより明らかに寿命が短いことが分かってきた。そのためブタ膵島移植の実施を行えていないが、現在これらのマウス細胞・組織におけるGalおよびNeuGc非発現と末梢血中のリンパ球不全状態を確認している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度計画の1)に関しては、当初の計画通りに進展しており、ヒト化マウスモデルを多様化する(naive NSGマウスに健常人末梢血液をアロ末梢血によってin vitroで刺激した後にマウスへ投与したモデル)ことにより、目的としていた抗ドナー特異的HLA抗体の産生が可能となった。
本年度計画の2)に関しては、計画した異種抗体産生マウスの確立は達成できたが、マウス個体の寿命に問題があるため、長期観察モデルとして問題があると判断している。よって当初目的であったブタ膵島移植実験が遂行できていない状況である。

Strategy for Future Research Activity

上記1)の計画に対しては予定通り、ヒト化マウスモデルにおいてHLA抗体産生細胞の同定を行う。ドナーHLA抗原に応答するテトラマーを作製中であり、現在ビオチン化HLA抗原を既に作製しており、今後は蛍光標識ストレプトアビジンを用いてテトラマー化を試みる。このテトラマーを用いてHLA分子に特異的に反応する細胞をフローサイトメーターで同定する予定である。
上記2)の計画に対しては、異種抗体産生マウス誕生後の寿命が問題となるが、既に作製済みで長期間観察可能なGal/NeuGcダブルノックアウトマウスに放射線照射を行いヒト臍帯血由来CD34陽性細胞移入を行うことでヒト免疫担当細胞の生着が得られるか否か確認する方法も模索していく予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額は906円であった。残金での物品購入や謝費、その他経費に充当できるほどの十分な残額ではなかったため実支出額が下回った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度に繰り越して、必要物品(実験試薬)の購入に充当する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 抗ドナー抗体産生マウスモデルにおける抗体産生抑制効果2016

    • Author(s)
      田原 裕之
    • Organizer
      第18回日本異種移植研究会
    • Place of Presentation
      長崎
    • Year and Date
      2016-02-20 – 2016-02-20
  • [Presentation] 当科における異種移植研究の変遷と新たな試み2015

    • Author(s)
      田原裕之
    • Organizer
      第42回日本臓器保存生物医学会学術集会
    • Place of Presentation
      岩手
    • Year and Date
      2015-11-13 – 2015-11-14

URL: 

Published: 2017-01-06  

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