2016 Fiscal Year Research-status Report
肝移植免疫における肝星細胞の小胞体ストレス応答を介した免疫制御に関する研究
Project/Area Number |
15K10027
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
荒川 悠佑 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 徳島大学特別研究員 (00448325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 光生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (10216070)
池本 哲也 徳島大学, 病院, 特任准教授 (20398019)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (60398021)
居村 暁 徳島大学, 病院, 特任教授 (90380021)
親泊 政一 徳島大学, 先端酵素学研究所(プロテオ), 教授 (90502534)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肝星細胞 / 肝内免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝移植において免疫寛容誘導による免疫抑制剤からの離脱は究極の目標である。元来肝臓は門脈血流を介して腸管などからの異物が取り込まれているにも関わらず、肝内免疫は一定に制御されており、肝内免疫をコントロールするメカニズムの存在が示唆される。すなわち不必要な免疫活性をおさえることで肝内免疫を安定に保ち、肝内免疫はimmunogenicではなくtolerogenicになっているべきであると考えられる。肝類洞壁細胞(liver sinusoidal endothelial cell)やKupffer細胞等とともに肝星細胞(Hepatic stellate cell)はこの免疫寛容環境の維持に重要な役割を果たしていると推測される。肝内免疫と肝星細胞に関する報告はこれまでなく、そのメカニズムは不明である。もう一つ今回着目した小胞体ストレスであるが、小胞体は体内にUbiquitousに存在しており、小胞体ストレス応答は生体の恒常性維持に重要な役割を担っている。免疫制御と小胞体ストレスに関してはこれまでにいくつかの報告がみられ、小胞体ストレス経路の1つであるPERK経路が自然免疫を担うマクロファージのCHOP誘導を介したアポトーシス抑制や、獲得免疫の恒常性維持のためその源となる造血幹細胞の品質維持に関与していることが報告されている。本研究での目的は、肝移植免疫における肝星細胞の役割と小胞体ストレスの関与について、ヒト及びマウス検体より単離した肝星細胞を用いたin vitroの実験、小胞体ストレスノックアウトマウスを用いたin vivoの実験により明らかにすることである。本年度我々は、マウス摘出肝を用いて肝星細胞を分離し培養する系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては安定して肝星細胞を単離できる系を樹立する必要があり、これに関してはほぼ達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
肝星細胞における免疫制御分子の発現を検討する。具体的には小胞体ストレスマーカーBip (GRP78), CHOP, XBP-1, ATF6をPCR, Western brotで測定し、FACSを用いて免疫表面マーカーMHC class1/2, CD11b, CD11c, CD40, CD80,CD86, B7H1, Gr1, B220, F4/80を測定する。続いて小胞体ストレス経路ノックアウトマウスより単離した肝星細胞を用い、小胞体ストレス誘導剤(tunicamycine)を加え同様の項目を検討する。
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Causes of Carryover |
計画書作成時に購入予定であった消耗品の価格変動のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度への繰越額は消耗品に使用予定である
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Research Products
(2 results)