2017 Fiscal Year Annual Research Report
Seeking a novel therapy for hereditary breast cancer by modulating alternative splicing
Project/Area Number |
15K10050
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
大江 賢治 福岡大学, 薬学部, 准教授 (30419527)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.TG003は、BRCA1遺伝子5382insC変異を内在性にもつHCC/1937細胞において、エキソン20のスキッピングを誘導しなかった。 遺伝性乳癌のBRCA1遺伝子5382insC変異は、1塩基挿入により、フレームシフトを起こす。フレームシフトにより生じる停止コドンが最終エキソンに生じるため、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(nonsense mediated decay)に供されない。この変異を内在性にもつHCC/1937細胞を用いて、TG003や、同じCLK阻害活性をもつCX-4945を添加し検討した。すなわち、5382insC変異はエキソン20に生じるが、変異のないエキソン20は、84塩基対で3の倍数のため、TG003やCX-4945によりエキソン20のスキッピングが誘導できれば、正常BRCA1と同じ読み枠に修正される。そこで、TG003やCX-4945をHCC/1937細胞に添加したが、BRCA1エキソン20のスキッピングを認めず、アンチセンスオリゴ、modified U1 snRNAやmodified U7 snRNAも試みたが、効果はなかった。 この間、本研究と関連する、経口可能なTG003関連化合物の研究、家族性自律神経失調症の研究、CX-4945による副腎癌における異常スプライシングの研究に参加した。 2.TG003は、HCC/1937細胞において、修正BRCA1蛋白質を増加させ細胞増殖を抑制した。 BRCA1蛋白質のC端を認識する抗体を用いてウエスタンブロットを行なうと、TG003により、正しいフレームの全長BRCA1蛋白質の発現増加を認めた。また、TG003添加により、細胞増殖の抑制を認めた。TG003エキソン20以外のエキソンのスキッピングにより5382insC変異による読み枠のズレが修正された可能性があり、スキップされたエキソンを特定中である。
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