2016 Fiscal Year Research-status Report
Immune checkpointを標的としたHER2乳癌に対する薬物療法の開発
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15K10053
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kure Medical Center |
Principal Investigator |
重松 英朗 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (40543707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳癌 / Tregの機能解析 / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
①研究開始時より我々は、乳癌臨床検体(針生検または手術標本)よりgentle MACS dissociatorを用いて腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分離・回収し、CD3, 4, 8, 25, 45RA, FOXP3蛍光抗体を用いたflow cytometryによるTILにおけるTregの機能解析を行う実験手技を検討し確立してきた。これまでに約60乳癌症例についてTILのTreg機能解析を施行し、これまでの報告(Shimon Sakaguchi, Nature Review 2014, Hiroyoshi Nishikawa, Int J Cancer 2010)と同様にTregの機能解析手技を確立した。結果、乳癌組織においては免疫抑制に対して強力な作用をしめるFrIIの分画が多く認められることが確認された。現在、HER2陽性乳がんにおけるTregの機能解析結果と臨床病理学的因子(病期・悪性度・subtype・術前化学療法の病理学的治療効果)との相関について検討中である。 ②がん治療におけるimmunocheck pointを標的とした薬物療法として、PD-1/PD-L1に対する分子標的治療薬が最有力な臨床的治療効果を示している。PD-1/PD-L1標的薬の効果予測因子としてPD-L1発現が有望であり(Borghaei H, N Engl J Med 2015)、乳癌におけるPD-L1発現の標準的検査方法の確立が重要である。しかしながらこれまでの乳癌組織におけるPD-L1発現解析方法は各施設により異なっており確立した手技は無い。現在我々は、広く用いられている全自動染色システム(ベンタナ ベンチマーク ULTRA)を用いた乳癌組織におけるPD-L1発現の半定量的評価を進めており、乳癌組織におけるPD-L1発現と臨床病理学的因子との相関を明らかとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳癌組織腫瘍浸潤リンパ球の分離・回収およびTregの機能解析方法が進められたことより当初の予定通りの研究進行と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
①HER2陽性乳がんにおけるTreg機能分類の臨床的意義についての検討 これまでの研究により得られた乳癌組織TILにおけるTreg機能解析結果を検討し、HER2陽性乳がんにおけるTreg機能分類の意義を明らかとし、今後の臨床応用の可能性について明らかとする。 ②臨床検体におけるPD-L1発現の定量的評価と臨床的意義の検討 乳癌組織におけるPD-L1発現の半定量的発現評価法を確立し、乳癌組織についてPD-L1発現と臨床病理学的因子の相関についてのretrospective analysisを進める。その結果をもって乳癌におけるimmunocheck point標的療法の候補症例を明らかとする。
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Causes of Carryover |
研究試薬の使用量が予想より少なかったため 研究結果について確定しておらず、学会発表がまだ施行されていなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続きの研究を行い予定の試薬を消費する 学会発表や論文発表での使用を予定する
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