2017 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment strategy of breast cancer using micro RNA-1290
Project/Area Number |
15K10061
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
波戸 ゆかり 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20721864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 竜也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30315882)
吉本 信保 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10551244)
遠藤 友美 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20566228)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳癌 / miR-1290 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌全体の約80%を占めるエストロゲン・レセプター(ER)陽性乳癌のなかには、ホルモン療法の効果が低く、予後不良なものが存在し、その治療成績の向上が緊急課題となっている。私たちはこれまでに、ホルモン療法に対する「低感受性」を規定する因子として、マイクロRNA「miR-1290」が深く関与していることを見出した。この研究成果から、本研究では、miR-1290の機能を阻害することにより、乳癌のホルモン療法への感受性が回復できないかと考え、ER陽性乳癌に対する「miR-1290ノックダウン療法」の開発を目指すものである。乳癌組織よりRNAを抽出して、miR-1290発現解析、および、miR-1290標的遺伝子候補であるNAT1遺伝子、FOXA1遺伝子などの発現解析を行った。また、乳癌組織標本を使用してこれらの蛋白発現解析(免疫組織学的方法)を行った。これまでの検討で、NAT1蛋白発現解析結果を報告した。さらに、術前化学療法を施行した乳癌症42例の手術検体を対象として、miR-1290の標的遺伝子であるFOXA1を含む複数の遺伝子に対して、免疫組織学的方法による蛋白発現解析を行ったところ、FOXA1蛋白発現が高い症例が予後良好であることがわかった。約300例の乳癌症例を対象にして、miR-1290発現レベルと乳癌の予後に関して発現レベルを様々な段階で検討したが、miR-1290高レベル群と低レベル群の症例で、無病生存期間および全生存期間に有意な相関は認めなかった。解析した症例数が少なかった可能性もあるため、さらに症例を増やして検討したが、無病生存期間および全生存期間に有意な相関は認めなかった。そのため、当初計画していた乳癌細胞株を用いた、miR-1290ノックダウン療法の単独療法および既存のホルモン療法との併用療法の検討などに発展させることができなかった。
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